第23回日本乳癌学会学術総会

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第23回日本乳癌学会学術総会 2015年7月2日(木)~4日(土) 東京国際フォーラム 会長:中村清吾 明日を拓く、乳癌のチーム医療 One for All, All for One

会長挨拶

会長:中村清吾

このたび、第23回日本乳癌学会学術総会を6年ぶりの東京にて主宰させて頂くことになりました。総会のテーマは、「明日を拓く、乳癌のチーム医療」を主テーマ、サブテーマとして、「One for All, All for One 」とさせていただいております。

乳癌は、ホルモン療法や分子標的薬を始めとする薬物療法の目覚ましい進歩や、マンモグラフィに加えて、MRIや超音波検査等画像診断の技術革新とともに、予後は確実に改善してきております。また、こうした医療の高度化とともに、2000年代初めごろから、乳がんを軸に据えた医師のみならず、看護師、薬剤師等の各職種の専門分化が急速に進んできております。そこで、患者中心に各領域の専門家が一堂に会し、患者個々の人生観、価値観に照らし合わせて、各人に相応しい最適の医療を提供していく体制が求められております。その際、チーム内でのコンセンサスを得るためには、各人がEBMに基づくガイドラインに精通し、その共通基盤のもとで、コミュニケーションを図ることが肝要です。そして、チーム医療が功を奏して、医療の質が向上しているか否かを、定期的に振り返る必要があります。まさしく、反省無くして進歩を望むことはできません。そこで、まず、診療ガイドラインの目指すところを、癌登録のデータベースから導き出されるQuality Indicatorの視点から、議論して頂くシンポジウムを企画しております。その議論の過程では、欧米の先進事例も参考とし、また比較的同じ環境下にあるアジア諸国の先生方とも意見交換をおこない、国際的な視点で議論を深めていきたいと思います。

また、現在、専門医制度の見直しが進んでおりますが、患者の立場から見た専門医や専門職のあり方を、学会として見直す必要があると感じております。そこで、本学術総会のプログラム編成においては、患者の様々なニーズに対して、チームとしてどう応えていくかという形式のシンポジウムやワークショップを企画しております。

さらに、チーム医療が機能するためには、情報の共有が必要で、電子カルテを始めとする医療ITが、乳がん診療の中で、どこまで浸透しているかということも重要で、革新的な事例を紹介して頂くことを企画しております。

私自身は、昭和大学に赴任する前の28年間勤めていた聖路加国際病院において、2005年にブレストセンターを創設し、乳がん診療の専門家が一堂に会して診療を行う施設めざして、組織改革を進めました。私の恩師である日野原重明先生の「全人的医療を実践する」を座右の銘とし、現在は、大学人として、「乳がんの診療を通じて全人的医療を学ぶ」ことを教室のモットーとしております。したがって、時には、患者さんにもディスカッションの輪の中に入って頂き、そのニーズがどこまで解消されているか、或いは積み残しとなっている課題は何かを浮き彫りにしたいと思います。

過去2回の学会では、理事によるコンセンサス会議において、今後の学会が目指す方向性に関し、かなり明確に示されました。本学術総会では、その浮き彫りにされた課題がどこまで改善されたかの宿題報告をおこなうことを中心に展開していきたいと考えております。また、理事長としても、さらなる改革に向けた一丁目一番地と肝に銘じて全力を尽くす所存でありますので、どうぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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