第42回日本骨髄腫学会学術大会
会長 石田 禎夫

 第42回日本骨髄腫学会学術集会を2017年5月27日(土)、28日(日)の2日間、東京都渋谷区の日本赤十字看護大学で開催させていただくにあたり、ご挨拶申し上げます。
 この会の歴史は古く、日本骨髄腫研究会を前身とし、2012年4月1日に日本骨髄腫学会へ移行しました。MP療法以外有効な治療法のなかった時代から、40年以上この学会の発展に尽力されてきた会員の皆様に心より感謝いたします。
 最近の骨髄腫に関する基礎の分野では骨髄腫の分子病態の解明が急速に進み、次世代シークエンスを用いたゲノム解析、miRNAの機能解析、エピジェネティック異常の解析などが精力的に行われ、多くの成果が報告されてきました。治療開始に関してはくすぶり型骨髄腫のうち、骨髄形質細胞比≧60%、フリーライトチェーン比>100、MRIで巣状病変が2つ以上のどれかを有する症例に対しては治療が考慮されるようになりました。また、これまで広く使用されてきたISSの病期分類に、染色体異常と血清LDH値を評価項目に加えたR-ISSが提唱されております。さらに微小残存病変を検出し、より深い治療効果を評価することが重要であることが報告されております。
 このような状況の中、新規薬剤が次々と開発されております。日本では2014年までにボルテゾミブ、サリドマイド(再発・難治)、レナリドミド(再発・難治)が承認されていましたが、2015年にはポマリドミド、パノビノスタットが新たに承認され、レナリドミドが新規患者に投与可能になりました。2016年7月にはカルフィルゾミブが承認され、新規薬剤の使用方法が定まらないうちに、新たな新規薬剤が登場するという、これまでにない新規薬剤ラッシュを迎えております。今後も第42回日本骨髄腫学会学術集会開催までに、さらなる新規薬剤の承認が見込まれております。このような治療の進歩を背景に、本学術集会のテーマは「治癒を目指した骨髄腫研究の発展と治療の進歩」とさせていただきました。治癒させることのできる治療を目指すためには、基礎的な研究と臨床研究を学術集会で発表し議論しあうことは非常に重要であると考えます。今後の骨髄腫治療を1歩も2歩も前進させることができる学術集会となるよう、プログラムを作成する予定ですので、多数の皆様の参加を宜しくお願い申し上げます。