第43回日本肩関節学会

会長挨拶

会長: 望月由 第43回日本肩関節学会
会長 望月 由
県立広島病院 整形外科 主任部長

第43回日本肩関節学会学術集会の開催まで残すところ約1週間となりました。第43回日本肩関節学会学術集会を開催させていただくにあたり、皆様の記憶に残るような充実した学術集会にしたいと、現在、鋭意準備を進めております。また、本学術集会の開催に関しましては多くの方々にご支援を賜っております。あらためて心より感謝申し上げます。

まず、多くの先生方に大変多くの御演題を応募いただきましたことを心より御礼申し上げます。演題は5月23日に受付を締切りましたが、過去最高の475演題の申し込みをいただきました。誠に有り難うございます。代議員の先生方の査読の結果、462演題を採択することにしました(採択率97.3%)。肩の運動機能の会も過去最高の演題数の応募いただき、あわせると676演題になりますご演題を応募いただきました先生方に心より感謝申し上げます。口演のスタイルについては、できる限り1会場で深い討論を行おうという意見があり、第42回の井樋栄二会長が口演を2会場に限定し、シンポジウムや特別企画などは1会場とされました。しかし、診断技術や治療技術の進歩は日進月歩であり、1会場ではとてもまとめきれないのが現状です。そこで、今回はより多くの先生方に口演していただこうと考え、口演会場を4会場にさせていただきました。各会場を腱板、骨折・外傷、不安定症、スポーツ障害と大きく分けて、その会場にいればその分野の流れがわかるようにしました。特に、今回は肩の運動機能研究会との共同開催を目標の一つにあげており、両者のコンバインドセッションを予定しております。そのため、これまで分冊であった抄録集は1冊にまとめます。さらに、解りやすいように会場を数字のみならず色で分けて、主に腱板に関する会場である第1会場は赤、骨折・外傷に関する会場である第2会場は緑、不安定症に関する会場である第3会場は青、スポーツ障害に関する会場である第4会場は紫をテーマカラーとし、サブスライドをみればどの部屋にいるかが解るようにします。

さて、本学会のテーマは、「覧故考新 – Regeneration –」とさせていただきました。「覧故考新」とは、先輩の業績を引き継いで、将来の局面を切り開くという意味です。世界の肩関節外科において日本肩関節学会の貢献は目覚ましいものがあります。しかし、日本肩関節学会の先輩方が達成した多くの偉業を知らない若い世代の先生方が徐々に増えてきています。若い世代の先生方に先駆者たちが使命感をもって、創意と工夫を積み重ね、貴重な研究成果に至った経緯、方法論を伝え、今後の発展の礎にする必要があると考えました。そこで、この学会のテーマにそった「覧故考新セミナー」を6組の先生方にお願いさせていただきました。腱板に関する会場である第1会場で、初日の10月21日に、三笠元彦先生に「発想の原点」、そして信原克哉先生に「腱板断裂と私」を講演していただきます。さらに、2日目の10月22日に、佐野博高先生に「腱板修復術式の変遷と応力解析からみた再断裂の発生機序」、そして田畑四郎先生に「腱板断裂治療の軌跡」を講演していただきます。骨折・外傷に関する会場である第2会場で、初日の10月21日に、玉井和哉先生に「上腕骨近位端骨折の分類と治療戦略」、そして小川清久先生に「肩甲骨骨折―基礎的知識と治療の原則―」を講演していただき、その2時間後に同じ会場で高瀬勝己先生に「肩鎖関節脱臼に対する鏡視下烏口鎖骨靭帯再建術の実際と問題点」、そして福田公孝先生に「肩鎖関節の機能と障害」を講演していただきます。不安定症に関する会場である第3会場で、初日の10月21日に、山本宣幸先生に「肩関節前方不安定症にみられるbipolar lesionの評価と治療」、そして黒田重史先生に「肩関節不安定症」を講演していただきます。スポーツ障害に関する会場である第4会場で、初日の10月21日に、筒井廣明先生と原正文先生に「投球障害肩の病態から診断」について講演していただきます。いずれも日本整形外科学会の単位が取得できます。この、「覧故考新セミナー」を通して、日本肩関節学会の先輩方の努力と成果、肩関節外科に対する情熱を若い世代の先生方に継承することができ、また基礎的研究と臨床的研究を融合することで、日本肩関節学会がこれまで以上に世界に貢献できる礎を築く機会にしていただければ会長としてこれに勝る喜びはありません。

そして、第41回の森澤佳三会長から始められ、第42回の井樋栄二会長に継承された国際化の流れを今回も引き続き進めようと考え、英語セッションを準備しております。外国からの招待講演者として、ヨーロッパを代表してGilles Walch先生、中国からShiyi Chen先生、台湾からChih-Hwa Chen先生、シンガポールからDenny TT Lie先生、米国からMark A Frankle先生、韓国からJin-Young Park先生、Joo Han Oh先生、Sang-Jin Cheon先生の8名の先生方をお招きしました。世界の情勢はどのようになっているのか「What’s going on」のようなセッションも企画しようとすすめております。ぜひ積極的に英語セッションでの質疑応答に参加していただきたいと考えております。とくに明日の本学会を担う若手の先生方は積極的に英語セッションに参加していただければ幸いです。

本年4月10日・11日に広島で開催されたG7広島外相会合に続き、5月27日にオバマ大統領が、現職の米国大統領として初めて広島を訪問しました。この歴史的な訪問を機に、多くの方々を広島にお迎えし、戦後71年を経過して被爆から復興再生した広島の現状を世界に伝えることは大変意義深いことです。さらに、医学の分野でも再生 – Regeneration – は最新のトピックであり、iPS細胞の発見に代表されるように組織再生は今後の医学および医療の永遠の命題であると考えております。そこで、日本肩関節学会としても今後取り組むべき課題と考え、「Regeneration」 というテーマを掲げさせていただきました。復興再生した広島から、第43回日本肩関節学会学術集会により肩関節外科を通して、「No more war」の平和のメッセージが世界へ発信されれば医学の世界のみならす、全世界へ貢献できると考えております。

10月の学術集会期間中の広島は、気候も良好であり多くの皆様方にご参加いただいた上で、勉学にも観光にも励んでいただきたいと考えております。朝早くから夜遅くまで学術集会で熱い討論をしていただき、活発な学術集会としていただいた後は、美味な海の幸や山の幸をご賞味いただき、ご参加いただいた皆様方にとって実り多き学術集会にしていただくことを切望いたします。多くの皆様のご来広を心よりお待ち申し上げております。

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