第46回日本血管外科学会学術総会

会長挨拶

第46回日本血管外科学会学術総会を山形市で開催します

貞弘光章

会長 貞弘 光章
山形大学医学部外科学第二講座
(循環器・呼吸器・小児外科学)

 第46回日本血管外科学会学術総会を2018年5月9日(水)から11日(金)までの3日間、山形市で開催させて頂きます。5月の大型連休明けの週となりますが、新緑が目にまぶしい風景の中に蔵王や月山の残雪が映える絶好の季節となります。

 血管外科の最近の進歩には目を見張るものがあり、デバイスの開発と普及による血管内治療の増加がその牽引役となっています。それと供に症例数が著しく増加してきておりますが、症例数の増加には、これまで手術治療困難とされてきたハイリスク症例への適応拡大と、一方で、低侵襲で早期成績が良好な故のこれまでは適応には至らなかった早期段階での手術介入や予後改善を見込んだ積極的な適応拡大があると考えます。デバイス手術による低侵襲化治療は患者さんへ大きな恩恵を与え、また、それを希望する患者さんが増加していくことは、避けられない流れですが、デバイス留置に伴う新たな問題や逆に二期的に必要とされるopen surgeryも経験されるようになっているのも事実です。それらの適応拡大の現実を短期成績を論じるだけではなく中長期の手術成績と予後の改善を真摯に議論するのが学会の役割と考えます。

 今回の学術総会のメインテーマは「 Evidence-based Vascular Surgery 」と、いたしました。デバイス進化等により治療体系が大きく変化している現状と選択した治療戦略を、そのエビデンスを提示頂きながら検証していきたいと考えています。また、open surgeryでは手術手技や手術期管理の工夫により成績の向上にも著しいものがありますし、血管内治療の興隆時代でもその必要性と重要性になんら揺らぐものではありません。学会の特別セッションには「〜の治療戦略とエビデンス」という統一したテーマを基部から弓部、胸腹部、腹部大血管、大動脈解離、更に、重症下肢虚血、静脈疾患など各領域に設けエビデンスを求めた演題形式を考えています。また、今回の教育セミナーの主題は「TEVAR, EVAR」で、進化する血管内治療のknow-howを学んで頂きます。更に、透析や糖尿病合併および遺伝性結合織障害を有する血管病に対する治療戦略、open surgeryの成績向上のための工夫、デバイス治療の進化と諸問題、デバイスの技術開発とレジストリー、脳や脊髄などの臓器灌流と臓器保護、また、血管外科チーム医療、女性血管外科医会などupdateなテーマを計画しておりますので、沢山の演題応募を期待しております。

 山形には、芭蕉が「奥の細道」旅行で訪ねた山寺立石寺や最上川、山岳信仰の場である出羽三山など手つかずの神秘的な自然が残っています。また、ラーメンとこんにゃくの消費量、サクランボやラフランスの果物やワラビやタラの芽の山菜の収穫量が日本一の土地柄であり、蕎麦店が「蕎麦街道」と称して軒を連ね、芋煮、だだちゃ豆、米沢牛、山形牛、食用菊と豊富で多彩な食文化が楽しめます。学会の合間に山形の自然と食文化に触れて頂ければ幸いです。

 地方都市での開催となりご不便をお掛けすることがあろうかと思いますが、山形市へのアクセスは、山形新幹線、山形空港の他、仙台市から高速バスが10分毎に約60分の所要時間で連絡しており比較的良好です。また、市内には十分なホテルと客室数があり、周囲には上山温泉や天童温泉、蔵王温泉の歴史ある温泉街が近接しております。

 学会での熱い討論とともに山形の地を満喫していただける様、教室員一同、準備を進めておりますので、出来るだけ沢山の会員の皆様のご参加を心からお待ちしております。

「山形の地で熱く語ろう、血管外科の検証と新時代を」