第47回日本リハビリテーション医学会学術集会開催にあたって
第47回日本リハビリテーション医学会学術集会が鹿児島の地で開催されることを大変名誉に感じるとともに大会長を務める重責に身の引き締まる思いです。本学術集会のメインテーマは「今日の先端科学を明日のリハビリテーションへ」と致しました。リハビリテーション医学・医療の対象である障害が機能・構造の障害から社会参加の制約までを含むため、リハ医学・医療の研究は「全人的復権」を基本思想として、多面的かつ包括的なものとならざるを得ません。しかし、リハ医学・医療を取巻く環境は科学的側面も医療システムとしての側面も大きく変化しています。その中でも、本学術集会は科学的側面に於いて、今日の先端科学の成果を明日のリハビリテーションに生かそうとする積極的な基本姿勢を強調したものに致しました。科学的で効果的なリハ医療の実現のためには、治療理論の発展と技術的進歩が欠かせません。幸いなことに現在の先端科学と言われる再生技術や脳科学、分子生物学、遺伝子医学、コンピュータテクノロジーなどの領域は、リハ医学・医療への導入の可能性を持ち、更にそれらの技術を臨床に応用して最大の効果を得るにはリハ医学・医療の知識と技術が不可欠なものばかりです。
このような観点から、招待講演がボスフオード教授: Rehabilitation Research Trends and Priority Setting、ロスウエル教授: Is there a role for transcranial magnetic stimulation in rehabilitation medicine?、山田教授: 体性感覚誘発電位の基礎、臨床応用と最近の進歩、会長講演が片麻痺への促通反復療法などの新しい治療の試み、シンポジウムと教育講演が温泉・温熱あるいは薬剤、経頭蓋磁気刺激、基礎研究のリハビリテーション医学・医療への応用と今後のリハビリテーション医学・医療の治療法開発に寄与するものを重視しました。
特別企画として、我々のリハビリテーション医学会が辿って来た歴史を知り、今後の発展への決意を新たにするために「リハビリテーション医学・医療の過去・現在、そして未来へ」を設け、米本恭三先生と千野直一先生に本学会の辿って来た道と今後の目指すべき方向についてご講演頂きます。
一般演題には700題を越える多数の応募があり会員の皆様に心から感謝申し上げます。
繰り返し噴煙を上げる雄大な桜島に負けない皆様の熱い討論で、活発で充実した学術集会にして頂きたいと切に願っています。
第47回日本リハビリテーション医学会学術集会 会長
鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 リハビリテーション医学 教授
川平 和美

