会長挨拶

会長:工藤正俊

第50回日本肝癌研究会を開催するに当たり、ご挨拶申し上げます。
過去約 30年間、肝細胞癌の診断・治療の進歩には目覚ましいものがあります。その多くは日本で開発され、発展したものであり、我が国の肝臓内科医、肝臓外科医が放射線科医、病理医とともに、その診断・治療に大きく貢献してきたことは周知の通りです。

さて、肝細胞癌の治療に関して思い返してみますと、当初はその内容は惨憺たるものでしたが、 1980年代頃より治療成績がようやく向上して参りました。 日本肝癌研究会追跡調査データによると、1980年初頭には5年生存率5%、MST 4ヵ月という惨憺たるものでありましたが、2001年から2005年の5年間では5年生存率43%、MST 50ヵ月と飛躍的に予後が向上して参りました。その理由としては、1980年代から定着してきた肝細胞癌に対するサーベイランスの普及、及びCT、MRIの導入、肝動脈塞栓術の導入、エタノール治療やRFAの導入などの診断と治療の進歩があいまって徐々に現在の成績まで向上してきたものと思われます。また最近の進歩としては早期肝細胞の病理学的概念の世界における確立とソナゾイド造影超音波およびEOB-MRIの導入、更には超音波画像とCTやMRIなどのボリュームデータとのfusion画像を治療に応用するといった試みがあります。これら日本における緻密な治療手技は欧米には比較できないほど進歩を遂げております。

この度は第50回の記念大会ということもあり、50回大会記念の冊子を作ることと致しました。また、50回大会の企画として、歴代の肝臓学会を担当された先生方による鼎談、もしくはご講演なども拝聴したいと考えております。更には、この機会に欧米やアジアで肝細胞癌の分野で活躍している肝癌の専門家を集め、4th International Kyoto Liver Cancer Symposium(IKLS)を同時開催することと致しました。肝癌研究会の中のプログラムでもInternational Liver Cancer Association (ILCA)との共同セッションもjoint sessionとして企画しております。

さらには 2013年秋には、2005年に刊行された肝癌診療ガイドラインの第3版の改訂版が刊行される予定となっております。これをベースに肝癌診療のコンセンサスミーティングも合わせて行いたいと思っております。

肝癌研究会が2日間、国際シンポジウムが2日間と4日間の長い会議となりますが、何卒多数の皆様に御参集頂きたいと思います。この学会が意義深いものになることを祈念して開催のご挨拶と致します。

2013年8月吉日

第50回日本肝癌研究会
会長 工藤 正俊

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