第52回関西胸部外科学会学術集会
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会長挨拶
第52回関西胸部外科学会学術集会
会長  佐野俊二(岡山大学心臓血管外科)

会長写真

 この度、第52回関西胸部外科学会学術集会を岡山で開催させていただくことを大変光栄に存じます。
 関西胸部外科学会は関西地区の学術の発展と交流を目的とし、1957年(昭和32年)、京都大学の故・青柳安誠教授が第1回の学術集会を開催されたことに始まる歴史と伝統を持った会であります。学会も半世紀を過ぎ、新たな視点の元、関西胸部外科学会の在り方と、組織作りが必要な時期であろうと思います。日本胸部外科学会学術集会とは少し視点を変え、次世代を担う若い先生方の発表、交流の場であると同時に、教育の場でもありたいとの思いから今回の学術集会を企画させていただきました。
 医学の進歩は目覚しく、我々の専門である胸部外科分野でも研究、教育、臨床すべての分野で大きく変わろうとしています。考えてみると一番遅れているのは我々自身の考え方かもしれません。我々を取り巻く医療環境を変えるのも大事ですが、我々自身の考えを変えることも必要だと思います。内視鏡手術、低侵襲手術、ステント治療、ロボット手術、再生医療など次々と新しい治療法が開発され、“大きく切って治す”時代から大きく発想の転換が図られています。次代を背負う若い先生方には是非これらの新しい治療にChallengeしていただきたいものです。
 今回は新しい試みとして、セクション毎にプログラム委員を決めさせていただき、ただし会のキャッチフレーズとして、意識のChange(変革)と未来へのChallenge(挑戦)を立てました。関西胸部外科学会教育セミナーで私が偉い先生方に手術を勉強させていただいたように若い人たちにもエキスパートの先生方の手術と考え方を是非勉強してもらいたいと想い、各分野で教育シンポジウムを企画していただきました。またテクノロジーの進歩による各分野の最新の話題をホットに議論していただくため、海外から招請した先生方にも、内科の先生方にも加わっていただくシンポジウムも企画しました。その結果、冠動脈分野では“虚血性MRに対する私の手術”、“動脈グラフトの遠隔成績 single ITA vs bilateral ITA”、弁膜症分野では“Review and Update”、Repair of Mitral Bileaflet Prolapse、大動脈分野では“胸腹部大動脈瘤の治療(ステントと外科治療)”、“マルファン症候群の外科治療”、先天性分野では“先天性心疾患の定型的手術”、“成人先天性心疾患の治療”、不整脈分野では“新デバイスがメイズ手術に与えた影響”、呼吸器分野では“T期肺癌に対する手術手技”、“胸腔胸手術トレーニングの工夫”、食道分野では“食道癌診療における諸問題とその克服”“教育ビデオシンポジウムー私の手術”と、各分野ですばらしい企画を組んでいただきました。
 今回の学術集会には、このようなすばらしい企画だけでなく、会員の先生方より357演題という、多くの抄録を送っていただきました。その中には全国学会に勝るとも劣らない内容の演題も数多くありました。また一般演題の原点である症例報告にも貴重な報告が数多くありました。今回は優秀演題とシンポジウム演題161演題(採択率約40%)は発表7分、討論5分、その他の一般演題は発表4分、討論2分にさせていただきました。時間的な制約もあり、どうしても落とさざるを得なかった抄録がありました。せっかく抄録を出していただきながら、申し訳なく思っています。若い先生方は来年の学術集会では是非、優秀演題で通るよう、これからの1年間をよりがんばっていただきたいと思います。
 海外からはDr. Milsom, Dr. Lange, Dr. McCarthy, Dr. Gaynor, Dr. Langer, Dr. Ehrlich , Dr. Yasufuku の各先生方をお呼びしました。Dr. Paget Milsomは現在ニュージーランドのAuckland 大学付属病院の心臓血管外科主任です。この施設は以前はGreen Lane Hospital(GLH)でしたが、統廃合により現在に至っています。GLHのSir Brian Barrett-Boyesは第43回の倉敷での当学術集会にも来てくれましたが、Pegetと私はSir Brian の門下生で、また同期の研修医であり、青春時代の2年間をともに過ごしました。彼がGLHの跡継ぎになったことを仲間として友人として大変誇りに思います。またDr. Lange以下の先生方はこれからの新しい胸部外科治療の最先端治療の最前線にいる方たちばかりだと思います。せっかくですから、招請講演だけでなく、特別講演や、シンポジウムでの討論などにも加わっていただくよう無理をお願いしました。
 胸部外科の3本の柱を構築すべく、まず食道外科の充実をお願いしました。今回は食道外科の先生方のご協力により、50演題の応募をいただき、また2つのすばらしいシンポジウムを組んでいただきました。中心となって企画、立案してくださった大杉先生、猶本先生には何といってお礼申し上げてよいか分かりません。ありがとうございました。
 さて、このように多くの先生方の英知により今回の学術集会を開かせていただくことになりましたが、学会・学術集会を発展させ、充実したものにするのは会員1人1人の先生方のご協力、ご支援なしではどうしようもありません。学会が何をしてくれるのか?言われる先生方も居られるかもしれませんが、その前に会員1人1人が学会に何をしたか、何をするかも考えてみてください。これからの関西胸部外科学会、学術集会を実りあるものにするのも、しないのも先生方のお考え次第です。胸部外科に対する若者のモチベーションを上げるのは1握りの理事、評議員の力ではありません。先生方1人1人の力です。
 今われわれに求められているのはChange and Challengeの精神でしょう。今回は評議員だけでなく会員の方も前日の懇親会に参加していただければと思い、評議員・会員懇親会を企画しました。ただし準備などの関係で事前登録が必要となります。岡山の地で食べて、飲んで、ゆっくり語り明かして下さい。学会を会員の先生方のお力で盛り上げていただきますよう多くの先生方のご参加をお待ちしています。


 

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