第54回 日本移植学会総会

会長挨拶

 このたび第54回日本移植学会総会を2018年10月3日より5日までの3日間、ホテルオークラ東京で開催させていただくことになりました。
 今回のテーマは“臓器移植の長期生着時代を迎えて”です。
 本邦の免疫抑制剤の進歩や移植術後のきめ細やかな管理は世界一の移植臓器生着率を達成しています。そして、臓器移植によって助けられた多くの命は、社会への復帰を遂げ、次の命につながっています。その一方で、当然のことですが長期生着した移植患者は一般人と同じように老化し様々な疾患に罹患することとなります。高血圧、高脂血症や糖尿病をはじめとした生活習慣病や様々な発がん、骨粗しょう症、白内障などの眼疾患、そして、うつ病など精神疾患に至るまで多くの全身合併症にわれわれは気を配らなければなりません。このようなテーマは移植される臓器の種類に限らず、長期生着した患者の共通な問題ともいえます。

 今回の総会では、臓器移植の長期生着時代を迎えてクローズアップされてきた、このような問題点に焦点を当てて、移植医療そのものだけではなく移植医療を取り巻く多くの疾患について多職種アプローチによる解決策を模索していこうと思います。
 具体的には、①さまざまな臓器移植後の妊孕性や妊娠、性ホルモンの問題、②移植後の生活習慣病とその対策、③移植後の悪性腫瘍の発生や治療戦略(外科治療や分子標的薬などの内科治療など)、④移植後の精神病ストレス対策などについて議論できればと思います。一部全国アンケート調査の結果も踏まえて先生方の日常の診療に少しでも役立つ総会にしたいと考えております。  
移植医療は決して医師だけではなく、看護師、薬剤師、臨床心理士、臨床検査技師や管理栄養士、医療事務などすべての職種のひとによるチーム医療が成立して初めて成立するものです。これら多職種の方々が参加し、大いに議論を深め、有意義な総会となることを祈念しております。

第54回日本移植学会総会
会長 田邉 一成
(東京女子医科大学 泌尿器科 教授)

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