第61回日本糖尿病学会年次学術集会

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会長挨拶

第61回日本糖尿病学会年次学術集会
会長 宇都宮 一典
東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科
主任教授
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第61回日本糖尿病学会年次学術集会は、2018年5月24日(木)から26日(土)の3日間、東京国際フォーラム、JPタワーを中心に4会場で開催致します。本学術集会のテーマを「糖尿病におけるサイエンスとアートの探求」としました。これは、19世紀に近代内科学を体系化したウイリアム・オスラーの言葉、「医学はサイエンスとアートからなる」をもとにしています。原子力開発にみるように、サイエンスは、必ずしも人類に幸福をもたらすとは限りません。ここで言う「アート」とは病人を診る力を意味し、大局的にはサイエンスの発展を人類の福祉に還元する見識を指しているのです。糖尿病学においても、サイエンスの進歩は目覚ましく、糖尿病ならびに合併症の病態の解明は飛躍的に進みました。そして、再生医療の領域でも着実に成果があがり、臓器再生はもはや夢ではなくなってきました。また、メカニズムの異なった多くの糖尿病治療薬が登場し、治療の選択肢が増えました。

一方、日本人の糖尿病の病態は、我が国の生活習慣の変貌を背景に、著しく多様化しています。また、人口の高齢化に伴う高齢者糖尿病が増え、その反面、小児肥満の増大による若年化も進行しています。こうした我が国における糖尿病の増加には、近年の社会的格差が大きく関与していることも忘れてはなりません。

今後の糖尿病診療には、個々の患者の背景にある、様々な条件を見据えた個別化が求められているのです。糖尿病学におけるサイエンスの成果を、今後どのように臨床現場に還元するか、日本人糖尿病の診療にどのように活用するか、これは私達の前に提示された喫緊の課題です。第61回年次学術集会では、「糖尿病におけるサイエンスとアートの探求」のテーマのもとに、現在の糖尿病学の最先端のサイエンスを余すことなく網羅するとともに、これからの糖尿病診療の在り方、すなわち「アート」について、多くの職種を交え、多角的に論じていただきたいと願っています。折しも61という数字は、還暦を過ぎて、また1歳に戻り、温故知新を巡るに相応しい絶好の機会とも言えるでしょう。

会場はまさに東京の中心にあり、オリンピックに向けた再開発が進んでいます。新たな装いを整えようとしている東京の姿を、ご覧いただけるものと考えております。

多くの方々のご参加を、心からお待ち申し上げております。

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