第89回日本胃癌学会総会

会長挨拶

会長:安井弥

わが国は、胃癌の研究・診療面で世界をリードし、その核としての日本胃癌学会は外科系の先生を中心に大きく発展してきました。名実共に世界最強の胃癌学会です。これからもトップランナーとして世界を牽引し続けるためには、伝統ある胃癌の臨床と基礎との恊働が何よりも大切です。胃癌研究は、先代の田原教授の時代からわが教室の一丁目一番地であり、その総会長を務めることを本当に光栄に思っています。1962年創立の胃癌研究会を前身とする日本胃癌学会は、「胃癌に関する基礎的並びに臨床的研究を通じて実質的討議を行い胃癌研究の促進・発展により社会に貢献すること」を目的としています。広島では、第34回胃癌研究会(1980年:服部孝雄会長)、第87回胃癌学会(2015年:二宮基樹会長)が開催されていますが、基礎・病理系による主催は初めてとなります。第89回の本総会は、メインテーマを「横断的に学ぶ、胃癌を征するために:Cross-disciplinarylearning to control gastric cancer」とし、外科、内科、病理、基礎のいずれに身を置く者も等しく横断的に学び、胃癌征圧に向けての未来のレガシーとなる総会にしたいと考えています。

日本胃癌学会が総会を通じて世界に情報発信し、アジアの中心としての位置づけを改めて示すためにも、主題セッションは完全に英語化し、約1000題の一般口演・ポスター発表も英語化を推進しました。日頃の基礎・臨床研究、診療成果について、英語による泰然たる発表と活発な議論を期待しています。一方で、横断的な学びの場を提供することを意図とし、参加者がそれぞれの興味ある講演会場に分散することを避けるために会場数を絞りました。

初日のプレナリーセッションでは、新しい胃癌治療ガイドラインと胃癌取扱い規約のコンセプトと詳細について、知識を共有していただきます。胃癌の診断・治療の最前線に関しては、進行胃癌に対するconversion therapy、進行再発胃癌に対する化学療法、免疫療法、早期胃癌の診断・治療、腹腔鏡下胃全摘、食道胃接合部癌の診断・治療、バイオマーカーなどについてのシンポジウム・ワークショップを行います。これら臨床セッションに加えてさらに“横断的に学ぶ”ために、コロンビア大学のTimothy C. Wang 先生による幹細胞と胃癌についての特別講演の他、炎症と発癌、ゲノム・エピゲノム、分子病理に関するレクチャーシリーズを設けました。畠山昌則先生、大島正伸先生、Patrick Tan先生、落谷孝弘先生をはじめ多くの世界トップの研究者からご講演をいただきます。特別企画「病理の権威が胃癌を語る」では、田原榮一先生、渡辺英伸先生、加藤 洋先生、下田忠和先生、立松正衞先生、服部隆則先生がご登壇されます。

昨年はオバマ大統領の訪問、カープのセリーグ優勝で国内外の目が広島に集まりましたが、2017年はこの胃癌学会総会で幕開けです。3月は、グリコーゲンたっぷりの旨味の乗った牡蠣の他、メバル、カレイなどとっても美味しい季節です。多くの皆様にお越しいただき、本総会によって胃癌の基礎・病理から最新の診断・治療に至るまで広く理解が進み、胃癌制圧への大きな原動力になることを期待しています。

第89回日本胃癌学会総会 会長
安井 弥(やすいわたる)

広島大学大学院医歯薬保健学研究院 分子病理学 教授

TOP

Copyright © 2016 第89回日本胃癌学会総会 All Rights Reserved.