成人脊柱変形は、脊椎外科の分野における最大の問題であり、世界中の臨床医・研究者が、その病態解明と治療成績向上のために日夜努力していると言っても過言ではありません。この学会では、首下がり・腰曲がりや骨粗鬆症性椎体骨折を中心に、幅広く成人の脊柱変形全般を取り上げ、さまざまな薬物療法、最小侵襲固定術(MISt)から骨切りによる矯正手術まで、その最新の治療法を議論してゆきたいと考えております。
これらの病態がいつ、どのようにして起こり進行してゆくのか、骨粗鬆症やロコモ、筋量や骨量はどのように影響し、また進行に関わっているのか、さらにはどのように予防してゆきうるのかについて、様々な観点からのご発表・ご発言を楽しみにしております。
薬物療法については、痛みと骨粗鬆症の双方で選択肢が増えてきたことは喜ばしい限りです。その一方で、各々の薬をどのように使っていくかはいまだ試行錯誤の段階です。是非とも、皆様のさじ加減をご教示ください。
外科的治療も、側方進入による固定術と後方からの経皮的な固定術が確立されつつあり、高齢者に対するより低侵襲な手術手技の選択肢が増えたことは朗報です。とはいえ、矯正のGoalをどこに設定するのか、固定範囲をどうするのか、など議論の余地はまだ多く残されています。合併症をゼロにするためのコツや工夫についてのご意見も大募集します。さらに、手術の費用対効果についても考えてゆければと思います。
場所は、旧赤坂プリンスホテル跡地に新しくできました、紀尾井カンファレンスで開催させていただきます。
みなさまのご参加をお待ちしております。
第8回日本成人脊柱変形学会
会長 豊根 知明
昭和大学医学部整形外科学講座 教授