第1回臨床アレルギー講習会開催にあたり
第1回臨床アレルギー講習会ワーキンググループ 委員長 勝沼 俊雄 (東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科) |
日本アレルギー学会は長年に渡り、アレルギー診療の向上・啓発に努めてまいりました。
その一環として、平成26年より総合アレルギー講習会を毎年開催し、国民が求める総合アレルギー医という医師像の達成に努めてまいりました。総合アレルギー講習会はアレルギーの基礎医学と臨床医学(内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科)について2日間かけて幅広く学習します。診察方法や検査方法などの実技実習があることも特長です。
しかしながらそういった努力にもかかわらず、アレルギー専門医の地域偏在やアレルギー診療レベルの格差が未だに存在し、国民の求めに十分応えられていない現実があります。すなわちどの地域でも或いはどの医療機関でも標準的なアレルギー診療が受けられるための均てん化が喫緊の課題といえます。
今般、日本アレルギー学会では、これらの課題の一助となるよう、GSK医学教育支援助成を受け、臨床アレルギー講習会(Clinical Allergy Training Seminar; CATS)を開催する運びとなりました。CATSは医師のほか、メディカル・パートナーを重要な対象とし、アレルギーの臨床とその実践に特化した講習会といえます。総合アレルギー講習会の到達目標をアレルギーのA to Zとすれば、CATSは臨床アレルギーのABCを修得目標に掲げています。
第1回CATSは平成30年9月2日(日)、東京日本橋をメイン会場とし、仙台、名古屋、大阪、福岡の4会場をネットワークで結んで開催されます。
「喘息(小児から高齢者まで)」「皮膚アレルギー」「鼻アレルギー」「眼アレルギー」「食物アレルギー・アナフィラキシー」というテーマに関し、30~50分程度の講義を行い、あわせてそれぞれを具体的に実践するための実技、例えば吸入手技、スキンケア、食物負荷テストに関しても視聴覚教材を用いてご紹介します(各15分程度)。
CATSは、臨床アレルギーのスキルアップを目指したい全ての方を対象としています。アレルギー専門医を目指す若手医師、アレルギーを専門としない医師、アレルギー診療にかかわる薬剤師、看護師、そして栄養士の先生など、多くの受講者にお集まり頂ければ幸いです。
なお、CATSは日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師制度、認定看護師・専門看護師・認定看護管理者、日本栄養士会生涯教育実務研修、小児アレルギーエデュケーター(PAE)については所定の単位取得または申請対象となることが認められており、アレルギー学会専門医についても所定の単位取得が認められる予定です。
第1回CATSへのご参加を心よりお待ちしています。