ごあいさつ

第24回日本慢性期医療学会 学会長 仲井培雄 人口減少・少子化・超高齢社会という大きな課題に直面し、各地域がそれぞれの特徴を活かした自立的で持続的な社会を営めるよう、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」が掲げられました。安心して暮らし働きつづけられる環境をつくるため、予防・医療・介護への期待は、2025年に向けてさらに大きくなっています。

 地域医療・介護の現場では、住民を巻き込んだ認知症対応、活動と社会参加に焦点を当てたリハビリテーション、医科・歯科連携による栄養管理、救急・総合診療の充実など、地域包括ケアシステムの構築に向けて、「住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続ける」ための取り組みが評価されています。さらに、本人と家族の心構え、住まいや生活支援、介護予防などの問題においては、共助としての医療・介護だけでなく、プロボノ(専門家が知識やスキルを活かして行うボランティア)のような互助としての関わりや、自助を支える新たなヘルスケア産業の創出といった取り組みも求められるようになってきました。

 一方、医療介護総合確保推進法に基づく地域医療構想の策定は、各都道府県において構想策定に関する会議が開催され、平成28年度中にほぼ出そろう予定になっています。その他にも、医療に対する改革への期待と圧力は大きく、社会保障費の伸びの抑制を謳い、地域医療連携推進法人制度、患者申し出療養、医療費適正化計画等が続々と公表されています。

 この様な状況は、日本慢性期医療協会の理念「良質な慢性期医療がなければ 日本の医療は成り立たない」を実現するまたとない機会です。次世代のために皆保険を堅持し、財政負担を軽減し、人口減少を克服する事を踏まえて、これらの改革への積極的な関わりが求められていると思います。そして、ご当地毎の地域医療・介護の持続可能性を追求するために、「まち・ひと・しごと創生」とともに進むことが大切です。

 そこで、今学会のテーマは「慢性期医療と創る未来 — 医療・介護とまち・ひと・しごと—」としました。北陸新幹線が開業して元気な「まち」に生まれ変わった石川の県都金沢で、全国から慢性期医療に関わる「ひと」が集い、私達の「しごと」である慢性期医療の質向上について、金沢文化圏排出の鈴木大拙や西田幾多郎の世界観を交えて、熱く思いを語りあって頂きたいと思います。

 最後になりますが、本学会の開催に際し、石川県慢性期医療協会の宮崎俊聡会長を初め、役員、会員、事務局の皆さまに、多大なご協力をいただきますことを、心より感謝申しあげます。

平成28年1月
第24回日本慢性期医療学会
学会長 仲井 培雄