ニュースレター No.53 2009.11.27

脳神経核医学研究会の皆さま

お願いのメールです。このままでは、「分子イメージング研究」そのものに対して
削減され、分子イメージングに関連する全ての研究が縮小される可能性が高くなる危
機的な状況にあります。この状況を打開するために、現場研究者の声を政府に届けた
いと考えるに至りました。文部科学大臣宛の手紙(添付)に署名を添えて提出するこ
とにします。

お忙しいところ恐縮ですが、どうか、下記の要請書をご一読頂き、ご賛同頂けま
す場合は先生のお名前、ご所属、ご職責をご記入の上ご返信お願いします。もし、
すでにこの要請メールを受け取られている場合はその旨をお知らせください。ま
た、先生のお近くに賛同していただける方がいらっしゃれば、同様にお名前等を
ご記載して返信お願いします。

なお、文部科学大臣へは今週中に手渡したいと思いますので、至急なお願いで申
し訳ありませんがご賛同頂ける場合は27日金曜日までに返信お願いします。

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川端達夫 文部科学大臣 殿

 世界的に見て、分子イメージング研究は大きな発展を遂げつつあり、幅広い医
学研究や医療分野に展開するため、欧米のみならずアジア各国との激烈な研究・
開発競争に突入しています。我が国における分子イメージング研究は、黎明期を
終え、今まさに大きく展開すべき時期にあります。そのような中、先般の事業仕
分けにおいて、文部科学省分子イメージング研究戦略プログラムが、成果に対す
る一定の評価を頂きながら最終的に「削減が適当(2割?3分の1)」という不
当な結果が出されました。分子イメージングは、隆盛著しい研究分野としてだけ
でなく、「次の10年の医療を変革する(米国フォーブス誌)」ための新しい技
術として、経済的側面からも大きく取り上げられ、多くの主要国において、近い
将来の医療産業を担う技術の中核に位置付けています。さらに、腫瘍診断・治療、
新規薬剤開発、脳科学、神経・精神疾患、循環器疾患、代謝性疾患、移植・再生
医療など、将来の発展が期待される幅広い医学・医療分野に大きなメリットを提
供できる、まさに医・工・薬・生物の複合的かつ横断的な研究分野でもあります。

 従って、削減ではなく、直ちにオールジャパンとも言える戦略的な全国展開が
必要であり、日本の強みともいえる高レベルの基礎研究を臨床へ迅速に受け渡し、
大学と研究所、企業が連携した活動を強める必要があります。さもなければ、欧
米のみならず韓国、台湾、シンガポール、中国などのアジア地域に対しても後塵
を拝する事となり、研究・医療・経済分野の全てにおいて将来に渡る禍根を残す
と考えられます。

 当該プログラムのみならず分子イメージングに関連する研究費は既に段階的な
削減を続けており、来年度予算も徹底的な合理化ならびに枠組みの再検討を行い、
既に大きく縮減されて計上されています。これ以上の削減は、研究を実際に遂行
する若手研究者(ポスドク)や任期制研究者の解雇という事態にも直結するもの
であります。若手研究者(ポスドク)や任期制研究者は、不安定なポストの中に
あって成果を残すために死にものぐるいの努力を続け、論文成果も多く出してい
ます。しかし、成果とは関係なく解雇される事となれば、「どんなに努力しても
報われない」と認識される状態、いわばモラルハザードへと繋がります。その結
果、これまで育成した研究者が海外に流出するなど、研究体制の「崩壊」をもた
らします。つきましては、分子イメージング研究のさらなる拡充、分野横断的か
つ全国的な展開を実現するためのさらなる支援を強く求めます。

平成21年11月26日
発起人(50音順):
国立循環器病センター研究所           飯田秀博部長
横浜市立大学医学部               井上登美夫教授
放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター菅野 巖センター長
京都大学薬学部                 佐治英郎教授
自然科学研究機構生理学研究所          定藤規弘教授
東京大学薬学部                 杉山雄一教授
東京大学薬学部                 長野哲雄教授
大阪大学医学部                 畑澤 順教授
福井大学・高エネルギー研究センター       藤林靖久センター長
東北大学医学部                 谷内一彦教授
放射線医学総合研究所              米倉義晴理事長
理化学研究所分子イメージング科学研究センター  渡辺恭良センター長

賛同者: 例:分子太郎・日本分子大学医学部・助教

以上