プレナリーセッション
〔80回記念企画〕〈英語〉

二十年後を見据えた心不全診療のあり方
─基礎・臨床研究からの提言と臨床での実践─
Creating New Trends for Diagnosis and Treatment of Heart Failure
─Integration of Basic Science, Clinical Research and Medical Practice─

国内座長: 北風 政史(国立循環器病研究センター 臨床研究部・心臓血管内科)
心血管疾患の入り口であるリスクファクターおよびその最終かつ共通像である心不全は,我が国では欧米諸国とは異なり増加傾向にあることから,その新たな治療法開発が切に待たれる.しかしながら,我が国のレベルの高い緻密な基礎研究の成果が,十分に医師主導・製薬メーカ主導の臨床開発にいかされていない現実に直面するにあたり,基礎医学・臨床医学に携わる研究者は,密接な連携を保つことにより,基礎研究の成果を十分吟味して TR研究・臨床研究を行う必要があると考える.現在,基礎研究では,急性・慢性心不全に関する新たな神経体液因子の発見,腎臓・呼吸器などの他臓器障害の関与,細胞治療・遺伝子治療の可能性,医療機器による治療の展開など TR研究・臨床研究に展開可能な心不全治療に資するアイテムが提案されている.これらを臨床研究への俎上に上げるため,本セッションでは,英知を絞った先進的な心不全治療への提案を目的として,我が国の「循環器基礎研究の成果とその成果を用いた臨床応用の取り組み」について広く募集したい.さらに昨今,臨床研究拠点病院の整備や臨床研究を律する仕組みなどハード面の充実がなされているが,どのような臨床研究の枠組みで世界の潮流を見据えた情報発信を行っていくのかというソフト面については,未だ十分に検討されていないのも実情である.そこで,基礎研究の成果を臨床に展開するための日本独自の方法論も募集したい.多くの方々の応募を切に期待する.