プレナリーセッション
〔80回記念企画〕〈英語〉

近未来の循環器画像診断
Future Molecular Imaging of Cardiovascular System in Disease

国内座長: 木原 康樹(広島大学 循環器内科学)
循環器疾患の診断において画像情報の占める割合は年々格段に増加している.その背景には IT革新に支えられたCT,MRI,PET,OCT,共焦点顕微鏡などのモダリティ開発と新規トレーサの発明がある.一方我々循環器医が何を観たいのかについての要求にも飛躍的な高まりがある.そちらを推進しているものは循環器領域における疾患概念の転換や分子・細胞レベルでの病態把握の進歩であろう.近未来において我々は,疾患臓器の中で集簇したり遊走したりする炎症細胞や免疫細胞の姿を見ることができるかもしれないし,ATP産生能や細胞の生死についての局所信号を得られるかもしれない.そしてそのような機能的・統合的画像情報は従来鑑別困難であった疾患を再分類したり,新たな疾患群を提唱したりする契機になるであろう.本プレナリーセッションでは,心血管領域における臓器と病態生理の画像化について世界レベルでの進歩を把握すると共に,本邦における分子・細胞イメージング研究者の基礎研究ならびに臨床研究の到達点を確認し,これから我々が向かうべき方向について議論を行いたい.