シンポジウム
〈英語〉
メタボリックシンドロームによる動脈硬化のメカニズムはどこまで解明されたか
Mechanisms of Atherosclerosis in Metabolic Syndrome:
From Bench to Bedside
国内座長: |
倉林 正彦(群馬大学 臓器病態内科学) |
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この20年程の間に蓄積されてきた基礎研究と臨床研究の成果によって,動脈硬化の基本病態は慢性炎症であり,LDL (low densitylipoprotein)がこの病態の発症と進展において主要な役割をもつことが確立してきた.そして,スタチンによる積極的な LDL-C低下療法は冠動脈疾患の発症リスクを明らかに低下させることが実証されてきた.しかし,メタボリックシンドロームと糖尿病患者の動脈硬化では,LDLに依存しないリスク(残余リスク)の寄与が大きく,この残余リスクの解明とそれに基づく新たな予防と治療の戦略を開発することが喫緊の課題である.脂肪細胞やエネルギー代謝の細胞生物学的な基礎研究,IVUS,OCT,MDCTあるいは MRIなどの画像診断,そして集団を対象とする臨床疫学の知見は確実に進歩している.本シンポジウムでは,メタボリックシンドロームと糖尿病患者の動脈硬化に関して,基礎から臨床までの多面的な研究成果を募集したい.臓器や細胞の遺伝子レベルや分子レベルの研究,生化学的あるいは生理学的なバイオマーカー,画像診断,そして,臨床エビデンスなどに関して研究成果をご発表いただき,活発に討論したい.パンデミックと言われる動脈硬化のハイリスク群の激増に対して,本シンポジウムでの議論が,新たな予防法と治療法の開発に貢献できることを願っている.