シンポジウム
〈日本語〉
心肺蘇生ガイドライン2015を活かす
Optimal Use of the 2015 Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation (CPR) and Emergency Cardiovascular Care (ECC)
国内座長: |
木村 一雄(横浜市立大学附属 市民総合医療センター 心臓血管センター) |
|
野々木 宏(静岡県立総合病院) |
心肺蘇生ガイドラインは 2000年に国際蘇生連絡委員会 (ILCOR)と AHAにより世界共通のガイドラインが作成されその後,ヨーロッパ,オーストラリア,本邦も含むアジアへと広がり地域の独自性を考慮しつつ 5年ごとに改定されている.本邦では2010年版に心肺蘇生と緊急心血管治療のための科学と治療の推奨にかかわる国際コンセンサス (CoSTR)に基づき日本蘇生協議会 (JRC)蘇生ガイドライン 2010が作成された.本年10月15日 CoSTR2015の公開とともに 2015年版が同時発表される予定である.2015年版で最も注目される変更点はガイドラインの作成で GRADE (Grading ofRecommendations, Assessment, Development and Evaluation)システムを採用したことである.このシステムはシステマティクレビュー(SR)および診療ガイドライン(CPG)におけるエビデンスの質を評価し CPGに示される推奨の強さをグレーディングするための透明性の高いアプローチである.このようなエビデンス推奨の変更に加え,この 5年間で本邦からも多くのエビデンスが創生されており,これに基づき CoSTR2015が発表されることが考えられる.本シンポジウムでは実際に作成作業に携わった委員から循環器医に関連の深い 6つの作業部会(BLS,ALS,PED,ACS,脳蘇生,EIT)での変更点とその推奨をどのように臨床現場で活かすかについて解説していただく.