シンポジウム
〈日本語〉
医療研究・開発の環境整備と循環器診療
─国際化時代の医療イノベーション─
The Future of Medical Research & Development for Cardiovascular Care
─Global Harmonization to Establish an Ecosytem for Medical Innovation─
国内座長: |
池野 文昭(スタンフォード大学) |
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澤 芳樹(大阪大学 心臓血管外科学) |
アベノミクスの 3つの矢の一つ,日本医療研究開発機構 (AMED: Japan Agency for MedicalResearch and Development)が 2015年 4月に設立された.基礎研究を健康・医療の質の向上や産業化に活かすというミッションの下,有望な研究成果を実用化させるまでの一貫したマネージメントによる研究支援が始動した.また,研究成果を産業化するためのベンチャー起業を含めた,製品化のための制度構築が,各省庁を中心に地方自治体等,日本各地で活発になりつつある.しかし,同時に,米国,イスラエル,アジア諸国などでも同様に,研究成果を迅速に効率良く産業化し,地球規模の医療イノベーションを起こそうと躍起になっている.本邦も躊躇している余裕は全くない.人類史上類ない超高齢化社会を目前にし,我々循環器医の責務として,本邦における医療研究,そしてその産業化を促進し,医療イノベーションを,国内だけでなく世界に展開していくことが重要であり,それにより鈍化した本邦の経済発展の再興を期待する.そのためには,世界展開を目標にした医療研究戦略,産業化戦略が重要であり,産官学の垣根を越えた地球規模の医療研究・開発エコシステムの構築が必要と考える.今回,日本国内だけでなく,世界進出を意識した本邦の循環器領域の医療研究・開発を活発に議論できればと思う.