シンポジウム
〈日本語〉

心疾患を有する妊婦への対応
Management of Pregnant Women with Cardiac Disease

国内座長: 池田 智明(三重大学 産婦人科)
市田 蕗子(富山大学 小児科)
現在,心疾患を有する女性の妊娠は,総妊娠数の 1%に相当し,不整脈などを含めた循環器疾患まで広げると2~3%まで高まります.心疾患を含めた循環器疾患は,日本における妊産婦死亡原因の第 4位を占めるまでになりました.妊娠の高齢化,不妊治療の進歩により,心疾患を有する女性の妊娠数は増加していくことが予測されます.また,循環器管理・心臓血管外科の治療成績が向上し,Fontan術後など未知なる循環動態を持つ女性の妊娠を経験するようになりました.それらに対して,日本循環器学会から「心疾患患者の妊娠・出産の適応,管理に関するガイドライン」が作成されてはいるものの,まだ疾患単位の妊娠数は少なく,妊娠という事象の特異性から対照を設けた研究が倫理的に行いにくいため,経験的な研究や経験者の合意に基づいて治療が行われているのが現状です.本シンポジウムは,先天性心疾患,機械弁置換術後,QT延長症候群,マルファン症候群などを含む大動脈疾患,心筋症,妊娠・分娩時の心エコーなどを含めた心機能評価など,今後の心疾患を有する女性の妊娠管理の診療に役立つ演題を広く公募いたします.ぜひ多くの先生方にご参加いただき,心疾患を有する女性の妊娠管理のさらなる発展を期待したいと思います.