シンポジウム
〈日本語〉
冠動脈疾患における冠動脈機能異常の重要性
Functional Impairment of Coronary Arteries;
Clinical Implications and Further Evaluation
国内座長: |
安田 聡(国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門) |
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髙橋 潤(東北大学 循環器内科学) |
狭心症が疑われる症例の約20~30%は冠動脈造影において正常冠動脈かもしくは非閉塞性冠動脈病変しか認められないことが報告されている.狭心発作の原因を明らかにするうえで,器質的異常・解剖学的な評価のみでは十分とはいえないことが示唆される.また,冠動脈造影により描出される心表面の冠動脈は冠循環のあくまでも一部に過ぎず,ほとんどの部分は造影検査での可視化は困難である.このため心表面における冠攣縮や,冠微小循環にその首座をおく様々な疾患(シンドローム X,微小血管型狭心症,slow flow現象,微小血管攣縮など)の原因となり得る冠動脈機能的異常の評価が重要である.本セッションでは,冠動脈疾患における血管機能異常の機序や病態生理に関する新たな知見に関して議論し,この重要な問題について我々がどのように取り組むべきか考えてみたい.