座長:
夛田 浩(福井大学 循環器内科学)
草野 研吾(国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
演者:
野田 崇(国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門)
瀬尾 由広(筑波大学 循環器内科)
慶田 毅彦(江戸川病院 循環器内科)
安藤 献児(小倉記念病院 循環器内科)
3月18日ラウンドテーブルディスカッション2「両心室ペーシング治療の適応を考える」セッションにて、今日の心臓再同期療法(CRT: Cardiac Resyncronization Therapy)における未解決問題について不整脈専門家の先生方が議論されました。
CRT dyssynchronyの評価およびレスポンダーの同定
筑波大学瀬尾先生のグループは心エコーのspeckled tracking法に、測定する時相を加味した詳細な左室dyssynchronyの評価法を報告されました。さらにCRT Responderを判別するスコアとしてBUNの値、僧房弁逆流、RV pacingの有無などの複数の因子によるSTART scoreを提唱されました。(スライド1)
国立循環器病研究センターの野田崇先生は、QRS幅の狭い患者にCRT植込みを行った場合、Responder群ではnon-Responder群に比較して左軸偏位を呈する例が多いことを報告されました。現時点でCRTの適応はEF低下、左脚ブロックの心不全症例とされており、適応拡大という意味で非常に重要な報告と思われました。(スライド2)
江戸川病院の慶田毅彦先生はCRTのResponder/non-Responderを予測する上で、心臓MRI、SPECT、心臓CTを用い、viabilityおよび左室非同期の評価法に関して報告されました。
AF合併におけるCRTの有用性
小倉記念病院の安藤献児先生はEF>35%、心房細動を有する患者へのCRTの有効性について話されました。いずれもCRTにおいて未解決の問題を検討していく上で、大変貴重なご意見をうかがえました。
文責:瀬川、三木(東北大学大学院医学系研究科 循環器内科学)