第80回日本循環器学会学術集会

速報

会長特別企画11
日本が誇る循環器研究 I
「久山町研究」「冠動脈攣縮」「Na利尿ペプチド」
2016年 3月19日(土) 17:20~18:50 第1会場(仙台国際センター会議棟 1/2階 大ホール)
写真1
写真2

スライド

スライド1
スライド2
スライド3
スライド4

座長:
 荒川 規矩男(福岡大学)
演者:
 清原 裕(九州大学 環境医学分野)
 泰江 弘文(熊本加齢医学研究所/熊本機能病院循環器内科)
 寒川 賢治(国立循環器病研究センター研究所)

3月19日17:20より、会長特別企画11「日本が誇る循環器研究Ⅰ「久山町研究」「冠動脈攣縮」「Na利尿ペプチド」」が開催されました。

九州大学の清原裕先生の講演「Hisayama Study-a Long-term Epidemiological and Clinico-pathological Study on Cardiovascular Disease in a Japanese General Adult Population」では、受診率80%、剖検率75%、追跡率99%と極めて詳細に観察されている久山町研究から、50年間で脳出血死の減少、突然死の原因としての心疾患、大動脈疾患の増加、肥満・高コレステロール血症・糖尿病の増加、生活習慣病やメタボリックシンドローム、慢性腎臓病、CRP、EPA/AA比、NT-proBNPと脳卒中・虚血性心疾患の関連、糖尿病の悪性腫瘍死や認知症の増加との関連等、長期間の患者追跡に基づく様々な知見に関して御講演いただきました。(写真1、スライド1,2)

熊本加齢医学研究所の泰江弘文先生の講演「Coronary Spasm: Past, Present and Future」では、先生が関わってこられた、Ach投与や運動負荷による冠攣縮の誘発、β遮断薬による増悪やCa拮抗薬による抑制等、冠動脈造影を用いた研究の知見、内皮でのNO産生の抑制、酸化ストレスの関連、慢性炎症の関与、血小板凝集能の亢進等病態に関する研究の知見、更にALDH2の遺伝子多型がVSAの発症と関連していること、スタチンやピオグリタゾンがVSAの抑制に有効であること等、最近の研究成果に関しても御講演いただきました。

国立循環器病研究センター研究所の寒川賢治先生の講演「Natriuretic Peptides」では、
寒川賢治先生、松尾嘉之先生による神経体液性因子であるANP、BNP、CNPの発見や構造の特定や、診断・治療薬としての応用、血管拡張・RAS系抑制・平滑筋増殖の抑制といった、循環ホルモン・局所ホルモンとしての作用についてこれまで行われてきた研究の知見や、ANPがEセレクチンの抑制を介して手術時の癌の転移や抗がん剤の副作用を抑制するという最新の研究成果に関しても御講演いただきました。(写真2、スライド3,4)

文責:山内、但木(東北大学大学院医学系研究科 循環器内科学)

閉じる

PAGE TOP