シンポジウム(指定+公募)

【日本サルコペニア・フレイル研究会とのジョイントシンポジウム】
循環器疾患とサルコペニアを考える

座長: 荒井 秀典(国立長寿医療研究センター)
飯島 勝矢(東京大学 高齢社会総合研究機構)
 2015年現在、わが国は高齢化率25%を超える超高齢社会であり、ケアが必要な循環器疾患患者の年齢は高齢化の一途をたどっている。冠動脈疾患や心不全などを有する高齢者においては、心臓以外に複数の臓器障害を有することも多く、治療を困難にすることがあるが、なかでもサルコペニアの合併が予後不良と関連することが明らかになっている。サルコペニアは加齢や生活習慣を主たる原因として発症し、全身の筋肉が減少する病態であり、再入院や死亡のリスクが高くなることが知られている。循環器疾患患者は運動耐応能の減少により低身体活動に陥りやすく、さらに塩分制限などの食事療法により食思不振が助長され、結果的に低栄養に陥りやすい。従って、循環器疾患患者においては基礎疾患のマネジメントとともに、サルコペニアの評価も行い、適切な介入を行うことが求められる。栄養面からはタンパク質やビタミンDの摂取不足の有無の評価を行い、管理栄養士との連携が必要である。特にサルコペニア合併症例の場合には、有酸素運動に加え、レジスタンス運動も必要と考えられており、そこには理学療法士との連携も必要不可欠である。高齢循環器疾患患者に対して「サルコペニアの評価・予防・介入まで見据えた包括的ケア」を行うことにより、その予後の改善が期待できる。本シンポジウムでは、循環器領域におけるサルコペニアに関する演題を公募し、最新知見をもとに議論を深めたい。