シンポジウム1

経胸壁3D心エコーを活かす

座長: 浅沼 俊彦 (大阪大学 医学部保健学科)
戸出 浩之 (群馬県立心臓血管センター 技術部)

三次元(3D)心エコーが開発されて久しく,各社の装置において経胸壁(TTE-3D)および経食道(TEE-3D)3D心エコーの機能が装備されている.3D心エコーにより,二次元(2D)の画像では得られない弁形態を含めた心臓の立体的構造をリアルタイムに把握することができるようになり,さらに,心腔容積や心筋重量,心機能評価においても,心臓を立体でとらえたより理論的な評価が可能となっている.しかし,その臨床応用がTEE-3Dでは盛んに実践されているにもかかわらず,TTE-3Dにおいては未だその有用性が認識されていないのが現状である.TTE-3Dは完全な非侵襲的検査である反面,TEE-3Dに劣る画像分解能と避けられないノイズという欠点があり,それが普及を妨げるひとつの要因である.すなわち,TTE-3DをTEE-3Dと全く同等に考えている限りは,TTE-3Dの有効な利用・普及は望めない.本セッションでは,実臨床の中で,あるいは一連の経胸壁心エコー検査の中でのTTE-3Dの活用例を示し,それをどう検査精度,計測精度の向上に結びつけていくかを議論したい.本セッションが契機となり,TTE-3Dが各施設において有効に活用されるようになることを望む.

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