心臓MRIは遅延造影を用いて心筋線維化を評価できるという他の画像診断法にはない特徴を持っている。また、左室の容積や機能の評価に加え、Dynamic contrast enhancement(DCE)による心筋灌流の評価など、空間分解能や精度の面で優れた検査法である。さらに、近年の進歩によって、冠動脈CTのようにヨード造影剤を使用することなく、冠動脈を画像化できるMR angiography(MRA)の画質が目覚ましく向上している。しかし、心臓MRIはCTなどに比べて検査手技が複雑であり、高品位の画像を得るにはかなりの経験や知識が必要なため、循環器領域の日常診療へはまだ十分に浸透しているとはいえない。本セッションでは、心臓MRIについて、遅延造影、非造影MRA、心機能・血流動態解析などのテーマで、検査手法や得られた結果の臨床応用について議論したい。このシンポジウムへの参加者によって、心大血管MRIによる画像診断が臨床の場で広く活用されることを期待する。
シンポジウム2
心大血管MRIで何が見えて何が分かるのか
座長: | 岩永 史郎 | (埼玉医科大学国際医療センター 心臓内科) |
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林 則夫 | (群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部) |