シンポジウム4

薬物治療アドヒアランスとポリファーマシー

座長: 長谷川 純一 (鳥取大学 薬物治療学)
山田 浩 (静岡県立大学 薬学部医薬品情報解析学)

医療の進歩と高齢化の進展に伴い、循環器疾患のみならず複数の慢性疾患の治療、さらに加齢に伴う症状に対する投薬もあり、ポリファーマシーとなる頻度が増加している。専門分化の進んだ医療機関において薬物治療を考慮する際、作用機序の異なる多種類の薬物を併用するメリットと共に、想定外の相互作用にも注意が必要である。一方、多剤投与に伴う経済的な問題や、アドヒアランスの低下は必ずしも治療効果の向上には結びつかないこともあり、ジェネリック薬や配合剤の利用はこれらの改善に有用かも知れない。また、認知機能の問題や独居など、アドヒアランスに影響する様々な問題を抱えた高齢者も多くなっている。このような中で、平成28年度から始まった薬剤総合評価調整加算では、入院前の6種類以上の内服薬を総合的に評価調整し、2種類以上減少させた場合算定できることになった。この制度の注意点も含めアドヒアランスとポリファーマシーについての課題を明らかにし、改善策を模索したい。

閉じる