プレナリーセッション

〈英語〉

(2)心室性不整脈に対するカテーテルアブレーションの最前線
Recent Progress in Catheter Ablation for Ventricular Tachyarrhythmias

国内座長: 野上 昭彦 (筑波大学 循環器不整脈学)

心臓突然死(SCD)は、依然として公衆衛生上の重大な問題である。SCDの主な原因は心室頻拍(VT)あるいは心室細動(VF)であり、その基礎心疾患および機序は様々である。心室性不整脈を予防する治療の中で、近年、カテーテルアブレーションの役割が浮上している。器質的心疾患を有する患者においては、VTの主な基質は心筋瘢痕の複雑な不整脈原性構造である。そして、心筋瘢痕近傍の原因領域を同定し、より効果的なアブレーション標的部位を特定することは、依然として困難な作業である。この複雑な不整脈基質は、特に非虚血性心筋症においてアブレーション後のVT再発率が高いことと臨床的に関連している。3-Dマッピングシステムを用いた基質マッピングの出現により器質的心疾患におけるVTアブレーションの成功率は劇的に改善されたが、まだ限界も多く、VFアブレーションにおいては全く異なったアプローチが必要である。このセッションでは、新たなマッピング方法とアブレーション技術、例えば多点高密度マッピング、心外膜アプローチ、バイポーラ・アブレーション、ニードル・アブレーション、動脈/静脈化学アブレーションなどの最新の進歩を紹介したい。これらの進歩は、不整脈基質をより詳しく理解し、アブレーションの長期成績を向上させることにつながると期待される。

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