プレナリーセッション

〈英語〉

(1)心不全診療 futurabilty
“Futurablity” of Therapeutic Strategy of Heart Failure

国内座長: 坂田 泰史 (大阪大学 循環器内科学)

心不全とは、心臓ポンプ機能低下により、全身にうっ血、臓器低灌流を呈する症候群である。心不全診療のfuturablity、つまり将来の可能性とは何か。

1) 心筋細胞の制御:心臓ポンプ機能は、心筋細胞により規定される。心筋細胞は、他臓器細胞のように分裂しない代わりに、ATPを産生しながら、80年以上強い仕事を休まず行い続ける。なぜ心筋細胞だけそのような特徴を有しているか、現時点では不明である。このメカニズムを解明し、心筋細胞の恒常性を維持することが、次世代の心不全医療に求められるはずである。
2) 臓器連関の制御:心不全は全身疾患であり、心臓だけを治療していても改善しないことが多い。近年の研究により、心臓は、腎臓・肝臓・肺臓から脳に至るまで多くの臓器と連関していると考えられている。その連関をどのように認識し、治療ターゲットとするかが問われている。
3) テクノロジーとの融合:機械工学の進歩により、心機能の補助は以前より容易となった。しかし、デバイスが完全に心臓に取って代わるようになるにはさらなる進歩が必要である。機械工学だけではなく、生命工学も完全人工心臓への道を開くと期待されている。

このプレナリーセッションでは、心筋細胞、臓器連関、テクノロジーとの融合の3つのキーワードを持ち、未来の心不全診療学を拓く挑戦的な内容を期待したい。

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