成人先天性心疾患(ACHD)患者は増加の一途にあり、その診療機会は増している。現在日本におけるACHD患者数は小児患者数を既に上回ると言われ、もはや小児循環器医のみでは対応仕切れない状況となっている。日本では成人期への診療移行が欧米に比べて十分に確立されてないのが現状であり、患者数の増加に伴い、循環器内科医のさらなる参画が望まれる。外科領域に目を向けると、修復後の長期遠隔期における再手術の適応、方法、介入時期は未だに議論の分かれるところである。特に介入時期に関しては、病態が緊急性を要せず、目に見えにくい症状であることや、患者自身の病識の理解度に差があるため、臨床現場では各施設の方針に委ねられていることが多い。今回のプレナリーセッションでは、先天性心疾患の外科手術において世界のリーダーであるボストン小児病院のPedro J. del Nido教授に、ACHD患者の外科手術に関するstate-of-the-art講演をしていただき、その後、右室流出路形成およびRastelli術後、完全大血管転換術後、Fontan術後、修正大血管転位の手術適応と至適時期について、判断に苦慮した症例提示を交えて4人の演者(指定および公募)に講演をお願いする予定である。疾患頻度や病態が欧米とは異なる日本の成人先天性心疾患の外科治療について、十分に議論を深めたいと考える。
プレナリーセッション
〈英語〉
(6)成人先天性心疾患の外科治療─適応と至適時期
Surgical Treatment and Re-intervention for Adults with Congenital Heart Disease
国内座長: | 白石 公 | (国立循環器病研究センター 小児循環器部) |
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