シンポジウム

〈日本語〉

(12)止血異常・出血素因を合併する循環器疾患の診断と治療
Diagnosis and Therapy for Cardiovascular Diseases Accompanied with Hemostatic Disorder/ Bleeding Tendency

国内座長: 佐田 政隆 (徳島大学 循環器内科学)
堀内 久徳 (東北大学加齢医学研究所 基礎加齢研究分野)

高度の大動脈弁狭窄症では、止血因子フォンウィルブランド因子の分解亢進のため出血素因を呈し、時に消化管出血を来す。この病態は、PCPSや補助人工心臓でさらに顕著となり、機械的補助循環例では出血性合併症の対処にしばしば難渋する。大動脈瘤では時に慢性的な高度DICに遭遇することもある。血小板減少症例も時に出会うが、そのような症例にPCIを施行する際、どの程度の血小板数まで安全に抗血小板療法を施行できるのであろう。また、急性冠症候群治療中の症例がヘパリン起因性血小板減少症のため、極度の血小板減少を来していることに気づき、ひやりとすることもあろう。人工透析症例では出血性合併症の頻度が高く、たとえ心房細動でも抗凝固療法は、相当なハイリスク症例に限る方が良いとの考え方もあり、抗凝固療法開始に逡巡することもあろう。このように日常診療では、広義には止血異常・出血性素因というべき病態に合併する循環器疾患にしばしば遭遇する。本シンポジウムでは、上記のような疾患の診断・治療等に関する演題を公募し、循環器学的及び血栓止血学的見地から、議論を深めたい。

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