シンポジウム

〈日本語〉

(14)超高齢社会と心不全
Heart Failure in Super Aging Society

国内座長: 木原 康樹 (広島大学 循環器内科学)
筒井 裕之 (九州大学 循環器内科学)

わが国や欧米諸国をはじめとして、世界中で心不全患者、死亡者が増加の一途をたどっている。特に本邦においては高齢化が最も早く、高齢者・超高齢者を中心に心不全の増加傾向が顕著である。心不全診療の重要性が増す中で、ことに重要なのが高齢者の心不全対策である。このような背景の中で日本心不全学会は「高齢心不全患者の治療に関するステートメント」を公表している。このステートメントのなかで、高齢化社会のなかで爆発的に増加する慢性かつ悪性疾患としての心不全に対して医療システムを再構築し対応するように促している。具体的には、高齢心不全患者の管理においては、かかりつけ実地医家等が地域で形成する診療体制が主体的な役割を果たし、基幹病院は的確な診断と非代償期の入院治療あるいはリハビリテーション等において連携・支援する。これにより患者の生活の質に軸を置いた慢性管理を実現することが可能となる。さらに、患者が抱える併存症や生活環境の問題の解決、さらには在宅・終末期医療の実践のための体制も整備する必要がある。本シンポジウムでは、超高齢社会における心不全の諸課題を改めて整理するとともに、これらの課題に対する先進的な取り組みを紹介いただく。

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