シンポジウム

〈日本語〉

(20)併存疾患における最新至適高血圧治療を探る
Seeking the Latest Optimal Hypertensive Treatment in Patients with Comorbidity

国内座長: 檜垣 實男 (愛媛大学 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学)
前村 浩二 (長崎大学 循環器内科学)

超高齢化社会における中高齢者人口の増加により、我が国の高血圧患者数は2014年度の4,300万人から、さらなる増大が見込まれている。中高齢者では若年者に比して、個人差が大きく、多病性(Polypathy)であることから、併存疾患(Co-mobidity)に応じた個別化治療が必要である。高血圧治療において考慮するべき併存疾患としては、近年の肥満症の増加を基盤とした糖尿病、脂質代謝異常症、高尿酸血症などが挙げられる。一方、高血圧合併症としては、脳卒中、心臓病、慢性腎臓病等があり、それぞれのケースにおいて、最新の至適高血圧治療を計画、施行しなければならない。至適高血圧治療の内容は、降圧目標値の設定と併存疾患独自の管理が重要となる。基本的に降圧は“the lower, the better”の原則になるが、我が国における降圧目標設定は決着しておらず、日本高血圧学会による医師主導臨床研究J-SPRINT予備研究がスタートしたところである。本シンポジウムでは、各々の併存疾患を持つ高血圧患者における至適治療とはいかなるものかについて最新のエビデンスと臨床現場における経験知を融合させた議論を期待している。

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