シンポジウム

〈英語〉

(18)代謝疾患による心血管障害のメカニズムと新たな治療戦略
Mechanisms and Novel Therapeutic Targets of Cardiovascular Dysfunction in Metabolic Diseases

国内座長: 平田 健一 (神戸大学 循環器内科学)

糖尿病やメタボリック症候群などの代謝疾患に基づく心血管障害の成因や病態は多様で複雑である。糖尿病やメタボリック症候群は、動脈硬化を基盤とした心血管疾患発症に寄与し、その機序は、インスリン抵抗性、脂質異常症、高血圧に加え、神経因子・液性因子・免疫系を介した慢性炎症や酸化ストレスによる心血管代謝の機能異常など、多彩な要因が複雑に関与している。また、糖尿病に伴って発症する心不全のメカニズムには、細小血管障害に加えて、心筋細胞内の代謝異常の関与が報告されている。このような代謝異常に伴う血管障害や心筋障害には細胞や組織レベルでの代謝の変化だけではなく、全身の臓器間のネットワークが病態に重要な役割を果たしていると考えられる。しかし、様々な代謝疾患に伴う心血管障害の分子メカニズムは、いまだ不明な点が多い。本シンポジウムでは、糖尿病、脂質代謝異常やメタボリックシンドロームなどの代謝性疾患に伴う血管障害や心筋障害に関する分子メカニズムや基盤となる病態について、最新の研究成果を募集したい。そして、代謝疾患に基づく心血管障害の多様な分子基盤について議論し、今後の新たな予防法と治療法の開発に貢献できることを期待している。

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