シンポジウム

〈日本語〉

(5)心臓突然死の病態解明と予知・予防
Sudden Cardiac Death─Elucidation of Pathogenesis, Prediction, and Prevention─

国内座長: 清水 渉 (日本医科大学 循環器内科学分野)
堀江 稔 (滋賀医科大学 呼吸循環器内科)

心臓突然死(SCD)は、心室細動や心室頻拍などの致死性不整脈が直接の死因と考えられる。その原因疾患としては本邦でも急性冠症候群や冠攣縮性狭心症などの虚血性心疾患が第一位を占め、自動体外式除細動器(AED)の普及も含めた救急医療体制は整ってきている。次いで、肥大型心筋症(HCM)、拡張型心筋症(DCM)、不整脈源性右室心筋症(ARVC)などの心筋疾患が第2位を占め、また本邦では、先天性QT延長症候群、ブルガダ症候群、カテコラミン誘発多形性心室頻拍、早期再分極症候群などの遺伝性不整脈もSCDの原因として約 10%を占め、欧米に比べて多いとされている。虚血性心疾患のSCDは高齢者に多いが、HCMやARVCなどの心筋疾患、遺伝性不整脈のSCDは一般に若年から青壮年層で発症することから、その病態を解明し、これを未然に防ぐことが特に重要である。これらの心筋疾患や遺伝性不整脈は、細胞骨格タンパク、接着因子、イオンチャネルなどに関係する遺伝子変異によって発症することもわかっている。本シンポジウムでは、SCDの原因となる幅広い原因疾患について、その病態解明、予知方法やリスク階層化、さらにAEDや救急医療体制整備などのSCD予防対策に関する演題を幅広く募集し、SCDを予防する論議を展開したい。

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