会長挨拶

ご挨拶

第2回
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会
会長 中村清吾

日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会 会長 中村清吾

 このたび、第2回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会を、2014年10月3日(金)~4日(土)の2日間、東京お台場にあるホテル日航東京にて開催させていただくことになりました。

 さて、乳癌の治療は、外科手術が中心であった1980年ごろまでは、腋窩郭清を伴う乳房切除術が標準でした。しかし、1980年代半ばに、乳房温存療法が、乳房切除術と比べ何ら遜色のない長期成績であることが大規模臨床試験の結果で証明され、その状況は一変します。すなわち、長期予後を改善するためには、周術期の化学療法やホルモン療法、さらに分子標的薬を加えた全身的な治療が重要であることのエビデンスが蓄積され今日に至っております。

 乳房温存療法は、腫瘍の根治性と乳房の整容性のバランスの上に成り立ちます。かつて、自らの乳房を残せる(温存手術)か、残せない(乳房切除術)かの二者択一であった時代は、適応を超える無理な温存症例も散見されました。しかし、再建手術の普及とともに、局所をきちんと制御し尚且つ整容性を保つために、乳房温存療法が相応しいのか、或いは、乳房切除術及び再建手術がよいのかとの選択に代わってきています。

 特に、昨年7月より人工乳房が保険適用となったことは、やむなく乳房切除術を受けることになった人にとって、大きな福音となっています。このことと歩調を合わせるように、平成24年3月に、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会が発足し、さらに平成25年9月には、福岡大学形成外科の大慈弥裕之教授の主催にて、第一回の学術総会が開催されました。実に、全国より800名を超える乳腺外科及び形成外科の先生方が一堂に会し、熱心な討論が交わされたことは記憶に新しいところであります。また、本会ならではの、豊富なハンズオンセッションや、ビデオによるプレゼンテーション、さらには、教育セッションが企画され、乳房オンコプラスティックサージャリーの普及、啓発に多大な貢献がなされました。

 乳癌の治療成績を向上させるためには、乳腺外科、腫瘍内科、形成外科、病理診断、画像診断、放射線治療等、様々な分野のエキスパートが如何にチームとして力量を発揮できるかが重要な鍵を握っております。また、患者に複数の治療方針の中から、自らに相応しい治療手段を選択してもらうためには、看護師さんのサポートも欠かせません。

 特に、アンジェリーナ・ジョリーさんの告白で話題となった遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC:Hereditary Breast and Ovarian Cancer)においては、検診の他にリスク低減乳房切除術も選択肢の一つとなり、精神的なサポートを含む遺伝カウンセリングも重要な要素となっています。

 そこで、本学術総会では、乳房オンコプラスティックサージャリーを、単に乳腺外科、或いは形成外科の観点からではなく、よりOncologyの視点で幅広く、さらに患者さんも含めたチームで学べる企画を用意しております。

 本学術集会の後半では、ABRCAというアジア各国でHBOCの問題に取り組んでいるコンソーシアムの方々とのインターナショナルセッションも企画しました。2020年に開催予定の東京オリンピックの会場に程近いベイエリアで、アジア各国の専門医とともにHBOCに関わる乳房オンコプラスティックサージャリーを熱く討論し、また、交流を深めていただければと思います。

 これからの本学会の発展のために、少しでもお役に立てるよう鋭意努力を重ね準備してまいりますので、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

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