第19回日本クリニカルパス学会学術集会

進化するクリニカルパス~未来への架け橋~

会長挨拶

第19回日本クリニカルパス学会学術集会会長 高金 明典
( 社会福祉法人函館厚生院 函館五稜郭病院 副院長)

 第19回日本クリニカルパス学会学術集会を2018年10月12日(金)・13日(土)に函館で開催させていただきます。函館は11月に入りますと雪が降りますので、例年より1ヶ月ほど早い開催となります。

 今回の学術集会のメインテーマは「進化するクリニカルパス-未来への架け橋-」としました。次々と変化する医療環境や新たなエビデンスの構築、それに対応した医療安全、医療効率の改善など日々変化のなかで、より充実した医療を提供するためのツールとして益々パスの重要性が高まります。パスを見直し、様々な環境にフィットする進化したパスを次々に作り出していくことで、時代のニーズにあった医療を提供することにも寄与すると思われます。それは患者さんのみならず医療従事者の職場環境の改善などにも有益な結果をもたらすものと期待されます。そこでプログラム委員を中心として、様々な観点からシンポジウムやパネルディスカッションを企画いたしました。これまで開催された18回の学術集会を土台とし、パスが更なる進化を遂げるために活発な議論をお願いします。さらに学会のグランドデザインを具現化するためにも有意義な意見交換ができれば幸いです。パスを根付かせる時代からすべての患者さんが質の高いパス医療を享受できる時代へ、今回の学術集会が未来への架け橋としての大きな役割を担うことを期待します。

 医療における進化が著しい分野のひとつとして、ゲノム解析によるプレシジョンメディスンがあります。個々の情報をゲノムによって解析し、より安全で効果的な医療を提供する事が可能です。そこで今回の招待講演には慶應義塾大学病院腫瘍センターゲノム医療ユニット長の西原広史先生をお招きして、最新のゲノム関連の話題をお話いただきます。また今世紀において、より一層進化のスピードが速く、人類の未来を左右するかもしれない分野として人工知能(AI)があります。我々の未来はどんな世界が待っているのか?生活にすでに入り込んできているAIの進化や未来について、はこだて未来大学副理事長、未来AI研究センター長の松原 仁先生にお話いただきます。様々な倫理的、哲学的な問題を含みながら進化するAIの世界をすべて理解することは難しいですが、その一部でも味わうことができるのではないかと思います。

 函館は海の幸、山の幸に恵まれ、皆様には舌鼓を打つ美味しい料理を堪能していただけます。その一部を懇親会で振る舞いますので是非ご参加をお願いします。また、学会場は函館の観光名所に近く、発表の合間をみて散策するのもいいでしょう。また、学会期間中は紅葉が始まる頃で、時間があればちょっと足を延ばして大沼公園に行き、そのあと折角ですので北海道新幹線で津軽海峡の海底トンネルを体験してみてはいかがでしょうか。記憶に残る学術集会をめざして、スタッフ一同がんばっております。皆様お誘いの上、多くの方々のご参加をお待ちしております。