第45回日本肝臓学会総会

会長挨拶
会長の写真

この度、第45回日本肝臓学会総会会長を拝命致しました。大変光栄に存じます。

第45回総会のメインテーマは”from the-State-of-the-Art Science to Real Practice, from the-State-of-the-Art Practice to Future Science” と致しました。これは日本語で説明すると少し陳腐になりますが、「最先端のサイエンスを実際の臨床につなげられるような学会にしたい」ということと同時に「最先端の臨床研究、または最高の実地臨床、臨床経験をベースとした深い洞察から生まれるニーズも将来のサイエンスにつなげられるような学会にしたい」という気持ちをこめてこのようなメインテーマとさせて頂きました。特に『最先端の臨床医学から次のサイエンスへの架け橋』ということについては臨床に軸足をおいてやってきたこれまでの私にとっては特に強い思い入れがあります。

特別講演につきましては京都大学元総長 井村裕夫先生にお願い致しております。井村先生は現在先端医療振興財団理事長そして科学技術振興機構の主席フェローとして様々な医療振興政策に関わる活動を行っておられます。井村先生は基礎研究はもちろんのこと、我が国における大規模な臨床研究が欧米に比べて著しく遅れていることを深く憂慮されいろいろな場で様々な提言をされておられますので我々にとっても有意義なお話が聞けるものと思っております。

また、招待講演は近畿大学医学部ゲノム生物学教室 西尾和人教授にお願い致しております。西尾教授は癌の増殖機構及び分子標的薬治療のバイオマーカー研究の第一人者であります。最近、肝癌の分子標的薬が次々に臨床試験に入ってきております。これらの作用機序や現状を把握しておくことは我々臨床家にとっても大変重要なことと思いますので是非期待して頂きたいと思います。

シンポジウム1では「C型慢性肝炎における宿主とウイルスのインターアクション」ということで基礎的、臨床的な問題について討議を深めて頂きたいと考えております。シンポジウム2では「日米欧における肝癌診療の相違を巡って」をテーマにディベート形式でのシンポを予定しております。また、三年ぶりにconsensus meetingを4つ企画しました。これは全て演者指定でB型肝炎、C型肝炎、肝細胞癌、NASHの4つのテーマに絞り、それぞれ(1)病態・診断・予後、(2)治療と二つのパートに分け、演者は全て指定であらかじめ打ち合わせのミーティングをもって頂き、アンサーパッドにてconsensus形式をして頂きたいと思っています。

また、今回の学会の一番の目玉と考えているのは第45回総会ハイライトレクチャー(演題総括と世界を見据えた今後の研究の方向性)であります。これは2日目の午後に1会場直列で8名の演者で各20分、計2時間40分を予定致しております。1)C型肝炎、2)B型肝炎、3)肝炎ウイルスの基礎研究、4)肝細胞癌、5)NASH・脂質代謝、6)肝と免疫、7)肝幹細胞・再生・線維化、8)肝画像診断の8つのパートで総括発表を予定致しております。ハイライトレクチャー演者には現在のその領域の若手研究者もしくは見識のあるベテランの先生方にお願いし、第45回総会での一般演題、ワークショップ、シンポ、パネルなどに発表されたもののうち、優れていると思われるものを全てレビューして頂きます。この2時間40分を聞いただけで第45回総会のハイライト・トピックスをすべて理解できるという企画にしたいと考えております。

以上が学会の骨子でありますが、今回の学会は神戸で開催することに致しました。神戸は個人的なことではありますが、私が18年間を過ごした前任地でもありますので私のrootsであるとも言えます。神戸はご承知のように交通が大変便利で新幹線、伊丹空港、神戸空港と極めてアクセスがよいという点、それから会場から三宮に近く、学会の合間のひと時を過ごすには格好の場所と思いますので皆様ふるって演題の応募およびご参加をお願いしたいと思います。

会員の皆様には何卒、学会を盛り立てて頂きますよう宜しくお願い申し上げます。



2008年10月1日

第45回日本肝臓学会総会 会長
近畿大学消化器内科学
主任教授 工藤正俊

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