
日本腎臓学会は半世紀にわたり腎臓学の研究に貢献するとともに、腎臓病対策への啓発を行ってまいり
ました。この歴史ある学会の第51回学術総会を、36年ぶりに福岡にて開催させていただくこととなり、
大変光栄に存じております。しかし、これまで先人達がこの学術総会で数多くの成果を上げ、腎臓学の進
歩に寄与したことを想うとき、計り知れない責任の大きさを感じております。
医療の長い歴史において、腎機能の廃絶状態すなわち末期腎不全では生命の維持が困難でありました。 近年、透析医療の進歩により、末期腎不全においても尿毒症を呈してなくなる方は少なくなりましたが、 腎機能低下を引き起こすさまざまな慢性的な障害が、心血管系をはじめ全身的にも重篤な合併症を生じ、 多数の方々を苦しめている実態が明らかとなりました。このような慢性腎臓病(CKD)の対策については、 世界的に取り組みが行われておりますが、わが国でも日本腎臓学会が中心となり慢性腎臓病対策協議会が 設立され、関係諸団体とともに活発な活動を展開してまいりました。その一端は、第50回学術総会でもす でに報告されておりますが、この1年間でさらに多くの成果が期待されますので、医療界の内外にその内 容を広く知らせることが、本学術総会の目的の1つと考えております。
腎臓は、老廃物の排泄を行うとともに、循環器の一翼を担い心臓とは対極的な位置で、全身の状況に応 じて体内の物質の流れを調節し、そのバランスを保つ役割を担っております。最近注目されている生活習 慣病やメタボリックシンドロームでは、健康的でない生活により主に心血管系の異常をきたしますが、体 内における腎臓の役割を考えると、CKDをはじめ種々の腎障害は、そのような病態をさらに悪化させるも のと思われます。言い換えれば、腎臓は健康を維持するうえできわめて重要な器官であり、その観点から 「腎臓と健康」をこの学術総会のテーマに致しました。
一方、わが国では検尿における蛋白尿や血尿の発見が腎臓病の手がかりとして重視され、IgA腎症の診 療などについて世界を凌駕する成果を上げてきました。さらに、克明な臨床所見や検査所見から詳細な症 例検討を行い、それにくわえて病理学、生理学、生化学、免疫学、遺伝学などによる基礎的研究を積み重 ねることで、腎臓病の原因だけでなく腎臓が関わるさまざまな問題の解明がなされてきました。これまで 腎臓学会はこのような研究の発表や討議の場を提供してきましたが、本学術総会においても、最新のすぐ れた研究が発表され、腎臓学に新しい展開が行われることを強く希望しております。
さわやかな楠の緑と玄界灘の潮風のなか、皆様を福岡にお迎えできることと存じます。腎臓学の発展の ため意義深い学術総会となりますよう、是非多くの方々にご参加いただけることを心からお願い申し上げ ます。
医療の長い歴史において、腎機能の廃絶状態すなわち末期腎不全では生命の維持が困難でありました。 近年、透析医療の進歩により、末期腎不全においても尿毒症を呈してなくなる方は少なくなりましたが、 腎機能低下を引き起こすさまざまな慢性的な障害が、心血管系をはじめ全身的にも重篤な合併症を生じ、 多数の方々を苦しめている実態が明らかとなりました。このような慢性腎臓病(CKD)の対策については、 世界的に取り組みが行われておりますが、わが国でも日本腎臓学会が中心となり慢性腎臓病対策協議会が 設立され、関係諸団体とともに活発な活動を展開してまいりました。その一端は、第50回学術総会でもす でに報告されておりますが、この1年間でさらに多くの成果が期待されますので、医療界の内外にその内 容を広く知らせることが、本学術総会の目的の1つと考えております。
腎臓は、老廃物の排泄を行うとともに、循環器の一翼を担い心臓とは対極的な位置で、全身の状況に応 じて体内の物質の流れを調節し、そのバランスを保つ役割を担っております。最近注目されている生活習 慣病やメタボリックシンドロームでは、健康的でない生活により主に心血管系の異常をきたしますが、体 内における腎臓の役割を考えると、CKDをはじめ種々の腎障害は、そのような病態をさらに悪化させるも のと思われます。言い換えれば、腎臓は健康を維持するうえできわめて重要な器官であり、その観点から 「腎臓と健康」をこの学術総会のテーマに致しました。
一方、わが国では検尿における蛋白尿や血尿の発見が腎臓病の手がかりとして重視され、IgA腎症の診 療などについて世界を凌駕する成果を上げてきました。さらに、克明な臨床所見や検査所見から詳細な症 例検討を行い、それにくわえて病理学、生理学、生化学、免疫学、遺伝学などによる基礎的研究を積み重 ねることで、腎臓病の原因だけでなく腎臓が関わるさまざまな問題の解明がなされてきました。これまで 腎臓学会はこのような研究の発表や討議の場を提供してきましたが、本学術総会においても、最新のすぐ れた研究が発表され、腎臓学に新しい展開が行われることを強く希望しております。
さわやかな楠の緑と玄界灘の潮風のなか、皆様を福岡にお迎えできることと存じます。腎臓学の発展の ため意義深い学術総会となりますよう、是非多くの方々にご参加いただけることを心からお願い申し上げ ます。
第51回日本腎臓学会学術総会
総会長 斉藤 喬雄
(福岡大学医学部 腎臓・膠原病内科学)
総会長 斉藤 喬雄
(福岡大学医学部 腎臓・膠原病内科学)