第5回日本腎と薬剤研究会学術大会2011 開催にあたって
第5回日本腎と薬剤研究会学術大会2011
大会長 増田 和久
(財団法人平成紫川会 社会保険小倉記念病院 薬剤部長)
第5回日本腎と薬剤研究会学術大会にご参加いただき誠に有難うございます。開催に当たりご挨拶申し上げます。
最初に、去る3月11日の東日本大震災で犠牲になられた皆様のご冥福を心よりお祈りいたします。また、被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。そして、劣悪な環境下で透析医療を守られた「被災地よりご参加」の皆様には、会場の皆様とともに、その労をねぎらい惜しみない拍手をお送りしたいと思います。
さて、今大会は「チームで護ろう1,300万人の腎臓と心血管 -リスクファクター管理と薬物療法 その進化と真価-」をテーマに掲げて開催いたします。
慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)は末期腎不全(ESKD:end-stage kidney disease)の予備軍になるばかりでなく、心血管病(CVD:cardio vascular disease)による死亡リスクが高まることが明らかとなり、また、CKDは早期の薬物療法と生活指導の徹底により治療可能なことも分かってきました。一方、早期CKD患者の多くは症状のない ことが多いため、薬物療法の実の上がっていない患者も少なくありません。すなわち、「CKDの病態を理解した上での適切な服薬指導によるアドヒアランス向上」という非常に重要な任務が薬剤師に課せられたわけです。
このような状況下、日本腎と薬剤研究会では、腎臓病に対する高度な薬物療法等についての知識・技術を備えた薬剤師を養成し、国民の医療・保健・福祉に貢献することを目的に「腎臓病薬物療法専門(認定)薬剤師制度」の設立に向けた活動を開始いたしました。2011年1月より暫定的な研修単位取得制度を設立し、2012年1月からは「日本腎臓病薬物療法学会(仮称)」へと発展的に名称変更する予定です。
そこで今大会は、CKD・CVDに対する薬物療法の最新かつ広範な情報を各分野の専門家よりご教示いただき、「腎臓病薬物療法専門薬剤師」の認定取得に役立つプログラムといたしました。昨年4月には、厚生労働省医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」が発出されており、専門性を有する薬剤師による薬学的支援は、行政からも積極的に後押しされています。今大会が腎(心)領域における牽引役となるべく、北九州から発信していきたいと考えております。ご参加いただいた薬剤師の皆様には、今大会で身に付けた見識を基に医政局長通知を実践し、薬剤師6年制時代に相応しい薬剤師職能の確立に率先して取り組んでいただきたいものです。そして、医師や看護師等チーム医療の仲間の皆様には、今まさに「第2の開化期をむかえようとしている」薬剤師に期待していただくとともに、叱咤激励をたまわれば幸いに存じます。
最後に、北九州は近代産業発祥の地であると同時に、文化発祥の地でもあります。火野葦平や松本清張、松本零士やわたせせいぞう等、多くの文化人の出身地でもあります。市民公開講座では、“鷗外と清張の小倉”と題して北九州市立松本清張記念館の藤井康栄館長にご講演いただきます。懇親会では「小倉祇園太鼓」の実演、そして「焼きうどん」や「焼きカレー」等のB級グルメもご用意させていただきますのでご堪能ください。
末筆になりますが、今大会の開催に際し、ご支援いただきました各種関係団体、関連企業、また特別講演、シンポジウム、教育講演、パネルディスカッション等の演者や座長の皆様、さらにご参加いただいた皆々様方のご支援とご協力に対し、心から感謝申し上げます。


