第65回日本職業・災害医学会学術大会

会長ご挨拶

第65回日本職業・災害医学会学術大会
会長 尾辻 豊
産業医科大学病院長

伝統ある第65回日本職業・災害医学会学術大会を2017年11月25日(土)・26日(日)の2日間、小倉の北九州国際会議場で開催いたします。小倉駅から徒歩5分のとても便利な場所です。本会のテーマは「勤労者を支える医療~事例から考えるPDCA サイクル~」であり、事例を中心とした具体的な発表・議論となることを期待しています。

基調講演として「働き方改革実行計画に基づく治療と仕事の両立支援について」を厚労省労働衛生課 神ノ田昌博課長に講演していただきます。「東電福島第一原発緊急作業従事者に対する疫学的研究」といった最も重要な話題もあり、合計7つの特別講演(60分)があります。30分の教育講演も11コマと数多く取り入れました。学会の目玉として初日朝一番にシンポジウムを組み「2017年日本職業・災害医学会北九州ラマツィーニ宣言」を行い、職業・災害医学の人材育成の重要性を宣言します。他にも両立支援を中心に合計23のシンポジウムを行います。この中には「熊本災害」「宇宙環境における生体影響」があり、最新・最先端の内容です。本学会で伝統的に行っている「労災疾病等医学研究」「両立支援報告」ももちろん行います。一般演題の評価が高かったものを6演題選び「ラマツィーニYIA賞候補演題発表セッション」で発表していただきYIAを選考します。多くの一般演題はポスター発表ですが、これにも優秀ポスター賞を作り、会員懇親会で表彰します。本学会では、「職業・災害」はもちろんのこと医師全般に勉強になるセッションも数多く用意しました。特別講演「新専門医制度」、イブニングセミナー「日本におけるがん診療の最前線」はまさにこの話題を語るにふさわしい講師を用意しております。その他「非専門医のためのヒヤリハット」という症例報告を多く準備します。例えば「心膜炎に対しステロイドを使用したところB型肝炎が急激に増悪し、危うい経過をたどった症例」等を通じて「禁忌診療」を復習していただこうと思います。取得可能な単位も日本医師会生涯教育単位、日本医師会認定産業医研修(生涯研修:専門、実地)、日本産業衛生学会産業保健看護専門家制度、社会医学系専門医協会単位、健康運動指導士・健康運動実践指導者、日本整形外科学会教育研修単位、公益社団法人日本リハビリテーション医学会生涯教育単位、外科専門医業績単位、日本救急医学会専門医認定制度専門医更新単位、日本看護協会認定看護師更新用単位、中央労働災害防止協会THP指導者レベルアップ研修単位、日本栄養士会生涯教育制度、超音波医学会超音波専門医専門医更新単位、日本薬剤師研修センター「集合研修」 参加単位とたくさん用意いたしました。このように職業・災害医学の勉強が十分にでき、最先端の話題に触れられ、臨床的に重要なところも勉強でき、認定医の単位も多く取得できる内容になっております。

北九州は魚が美味しく、11月と言えばフグもとても楽しみな時期です。森鴎外が暮らした町でもあり(旧居を観光できます)、アインシュタイン博士が滞在した門司港もあり(門司港レトロとして日本近代化を象徴する建物が多数存在します)、巌流島もすぐそばです。以前は工業都市として環境破壊に苦しんだ時期もありましたが、今では環境を回復した町として世界に情報を発信しています。このように学会以外にもたくさん楽しめます。どうぞ皆様、多数ご参加され、勉強され、楽しんでいただきたいと思います。

page top