日本超音波医学会第91回学術集会

プログラム

特別プログラム:知を究めるシリーズ

各領域の最先端のトピックスや議論すべき問題を取り上げ、発表形式はシンポジウムもしくはパネルディスカッションとする。

  • シンポジウム
    原則として総合討論なし。複数の演者による教育講演的な要素が強い。
  • パネルディスカッション
    原則として総合討論あり。まだ結論の出ていないこと、いろいろなアプローチが考えられることについてそれぞれの立場で意見を述べてもらうことで聴講者はそのテーマに対する多角的な理解を深めることができるようになる。

特別プログラム:技を究めるシリーズ

主に超音波検査の際のコツやピットフォールについて日頃実際に検査に携わっている先生にご紹介いただくセッションとする。

特別プログラム:共同企画

特別プログラム:知を究めるシリーズ

領域横断領域

領域横断1
シンポジウム 超音波で全身を見る
座長 森 秀明 (杏林大学医学部 第3内科)
尾羽根 範員 (住友病院 診療技術部 超音波技術科)
全指定

超音波検査は対応できる領域が幅広く、スクリーニングのみならず精査まで応用が可能であるが、それらは装置を操る術者の技量に大きく左右されることも事実である。ただ、全てがそれぞれの領域のエキスパートでないと診断できない訳ではなく、最低限これだけはチェックして専門家へバトンタッチするというステップを担うことができれば、見落としを防ぎ、しいては診断率向上に寄与できることに疑いはない。そこで本企画では、痛みを訴える患者さんを目の前にしたときに、これだけは押さえておいてほしいというポイントについて、各領域のエキスパートの方々に論じていただき、超音波検査のファーストステップのミニマムエッセンスを示すことができればと期待している。

領域横断2
シンポジウム 超音波によるtheranostics(診断と治療)の広がり
座長 森安 史典 (国際医療福祉大学 山王病院 がん局所療法センター)
工藤 信樹 (北海道大学大学院情報科学研究科 人間情報工学研究室)
全指定

超音波診断は無侵襲診断の手技として確立され、治療においても最小侵襲治療の手法として応用を広げつつある。同じ周波数帯の超音波を使うにもかかわらず照射条件によって診断と治療に使い分けることができる医用超音波はセラノスティクスの重要な領域の一つであり、相乗効果の大きな手法の実現が期待されている。また、超音波造影剤として開発されたマイクロバブルは、超音波と組み合わせることでドラッグデリバリのための薬物担体として機能しうることが注目され、精力的な研究が進められている。このシンポジウムでは、薬学と超音波基礎の領域からセラノスティクスにおける創薬と超音波技術開発の最先端を紹介する。さらに、腹部腫瘍の治療、頭蓋内治療、音響力学療法の3つの臨床領域におけるセラノスティクスの現状を明らかにし、超音波セラソスティクスの今後の発展の方向を議論する。

領域横断3
シンポジウム 新しい超音波イメージングの有用性と期待
座長 秋山 いわき (同志社大学生命医科学部 医情報学科)
畠 二郎 (川崎医科大学 検査診断学)
全指定

最近注目されている新しい超音波イメージングについて、その有用性と将来性について議論する。これらの技術には古くから試みられているイメージングも含まれているが、超音波技術の周辺分野での技術革新によって可能になったものである。

領域横断4
シンポジウム プライマリ・ケアにおける超音波検査実践活用術~腎・泌尿器、女性生殖器編~
座長 尾本 きよか (自治医科大学附属さいたま医療センター 総合医学1)
重田 浩一朗 (霧島市立医師会医療センター 内科)
全指定

診療所・クリニックや病院内の総合診療科・一般内科における“プライマリ・ケア”の現場では、超音波検査は欠かすことはできない画像検査である。しかしながら腹部領域(肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓など)の観察と診断のためだけに利用していることも多く、超音波検査を最大限有効に活用できているとは言えない。今回は腹部領域の中でも特殊な領域(専門外)として敬遠されがちな腎・泌尿器、女性生殖器にスポットをあて、比較的遭遇することの多い疾患・病変の超音波診断法だけでなく、どのようなときに専門機関に紹介し、どのようなときであれば自施設で経過観察していいのかなど、臨床の場で日頃疑問に思い、方針の決定に苦慮している点も含め、指導医の先生方に具体的にわかりやすくご講演頂く予定である。“プライマリ・ケア”の現場で働く医師、技師必聴のシンポジウムであり、明日からの診療に大いに役立てて頂きたい。

領域横断5
シンポジウム メタボリックシンドローム関連疾患のマネージメントにおける超音波検査の役割
座長 熊田 卓 (大垣市民病院 消化器内科)
山田 博胤 (徳島大学病院 循環器内科・超音波センター)
全指定

メタボリックシンドローム診断基準検討委員会は、腹囲:男性≧85 cm、女性≧80cmを日本のメタボリック症候群の診断基準の必須項目とした。この基準には多くの問題点も指摘されているが、本症候群が心血管疾患の危険因子が集積した状態であることは共通の認識であろう。この病態の主体はインスリン抵抗性であるとされてきたものの、最近では、蓄積した内臓脂肪組織から分泌されるアディポサイトカインの産生異常であるという説が受け入れられつつある。この脂肪組織に由来する生理活性物質が、動脈硬化のみならず、さまざまな臓器や細胞に影響を及ぼす可能性が示唆されている。本シンポジウムでは、メタボリックシンドロームおよび肥満に関連する各種疾患の診断や病態解明を目的とした超音波検査について、様々な領域からの情報を共有し、新たな超音波の活用法を探る場にしたい。

領域横断1
パネルディスカッション Point-of-care USのプロトコルを考える
座長 鈴木 昭広 (東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座)
亀田 徹 (安曇野赤十字病院 救急科)
全指定

Point-of-care US(POCUS)では、習得目標を明示し、短時間で系統的に評価を行い、得られた情報の質を確保し、その情報をチーム内で適切に共有するために、各種プロトコールの導入、提案が行われている。FASTは、外傷(初期)診療におけるプロトコルとして十分な実績がある。FoCUSは、心臓のPOCUSとして国際推奨が示され、今後普及が期待される。RUSHはFASTとFoCUSの内容を含み、ショックの評価法として認知度が高い。PEASは、周術期気道超音波という新しい領域のプロトコルとして興味深い。急性腹症のプロトコルは、現在専門家の間で検討が行われている。このセッションでは、POCUSの各プロトコルの内容、診療での位置づけ、利点と問題点についてお示しいただき、POCUS領域のプロトコルの在り方や有効活用について、参加者の皆様と御一緒にディスカッションを行いたい。

領域横断2
パネルディスカッション 改めて問う携帯超音波の位置づけと問題点
座長 石田 秀明 (秋田赤十字病院 消化器病センター 消化器内科)
伊藤 浩 (岡山大学大学院医歯薬総合研究科 循環器内科講座)
全指定

携帯超音波装置が発売されてから約8年が経過した。ある程度の評価は得られたものの、日常臨床の場で当初期待されたほどの衝撃がないのが現実と思われる。この原因として、1)装置自体に未だ大きい問題があるのか?、2)活用出来ない医師側の技術的問題なのか?、または、3)超音波教育の不足、等の、システム上の問題なのか?、携帯超音波の負の面を今一度しっかり検証すべき時期と思われる。携帯超音波の現状とこれからについて多面的に議論したい。

基礎領域

基礎1
シンポジウム 超音波照射による生体への影響と安全性
座長 秋山 いわき (同志社大学生命医科学部 医情報学科)
菊池 昭彦 (岩手医科大学医学部 産婦人科学講座)
全指定

超音波照射による生体組織への影響は古くから研究されているが、最近、動物を用いた実験が進み、新しい知見が得られている。このシンポジウムでは、ウサギによる実験、メダカによる実験、DNAによる実験について講演を依頼し、治療や予防だけでなく、安全性を含めた今後の展望について議論する。

基礎2
シンポジウム 超音波の生物作用-いっしょに考えよう実験計画
座長 名取 道也 (東京医科大学 産婦人科)
内藤 みわ (株式会社日立製作所ヘルスケアビジネスユニット 
開発統括本部第一製品開発本部システム開発部)
全指定

超音波の安全性は、昔から話題になる重要なテーマです。日本超音波医学会の「機器及び安全に関する委員会」では、超音波の生体作用に関する分野に興味を感じる若い研究者をサポートしたいと思っています。その理由は、超音波の安全性は超音波の生体作用に関する研究が基礎となって進歩するからです。
一昨年から学会誌に、「超音波の生体作用に関する基礎研究に興味を持つ若手研究者のためのガイドブック - どうすれば超音波の生物学的作用に関する実験ができるか」の連載を開始しています。この度の学術集会では、雑誌という紙の上の話ではなく、学会場というリアルでインタラクティブな場で、我が国を代表する専門家が、皆様にノウハウを伝授します。普通に勉強していてもつかみにくいポイントをしっかり押さえて、後悔しない研究計画を立てることができるでしょう。

基礎3
シンポジウム 未開拓領域
座長 梅村 晋一郎 (東北大学 大学院 医工学研究科 音波物理工学講座)
新田 尚隆 (国立研究開発法人産業技術総合研究所 健康工学研究部門)
全公募

本セッションでは、「医用超音波」や「超音波医学」における未開拓分野の研究発表を公募いたします。これまで超音波は、様々な技術に基づき、診断・治療等において多くの成果を上げてきました。しかし現状の課題以外にも、新しい技術開発や特定の疾病への新たな応用等、超音波にできることはまだまだ残されています。超音波に何ができるのか、未開拓分野について新たな提案を募り議論することは、超音波医学のさらなる飛躍にとって有意義であると考えます。既存の分野には分類しきれないような新しいテーマや切り口の研究について、幅広く、積極的な発表の応募をお待ちしております。

基礎4
シンポジウム 血流速度ベクトルを推定する技術でカラードプラを越える
座長 竹中 克 (東京大学医学部附属病院 検査部)
長谷川 英之 (富山大学大学院工学研究部 知能情報工学専攻)
全指定

日本人による1982年のカラードプラ法の発明は、超音波医学に革命的な変化をもたらし、その臨床的価値の大きさは言うまでもない。しかし、計測方法としてのカラードプラ法には「角度依存性により真の血流速度ベクトルが不明である」という大きな欠点がある。これを克服し、カラードプラ法を超えるいくつかの方法が模索されている。本来3次元的な流れである心臓血管血流の速度情報を正確に計測することはなかなか難しいが、本企画ではこれらの試みの現状を発表していただく。

基礎5
シンポジウム 光と超音波の融合による定量診断・機能イメージング技術
座長 工藤 信樹 (北海道大学大学院情報科学研究科 人間情報工学研究室)
石原 美弥 (防衛医科大学校 医用工学講座)
全指定

超音波イメージングに光の機能情報や、レーザー光の特性を活用すると、どのような画像が取得できるのか、取得できる画像はどのような特徴を持っているのか?光音響画像(光超音波画像)は顕微画像から組織画像までマルチスケールで取得できるため、その応用は広範であり、世界で盛んに研究されている。例えば、毎年2万人が参加するPhotonics Westという国際学会では2010年から毎年200演題以上の発表がある最大の会議となっている。
本シンポジウムでは、日本における本分野の先端的研究を紹介する。これにより、日本超音波医学会に参加者の技術の理解と利用・応用の拡充が進むことを期待する。

基礎6
シンポジウム 高周波数超音波イメージングの現状と展開
座長 蜂屋 弘之 (東京工業大学 工学院システム制御系)
西條 芳文 (東北大学大学院医工学研究科 医用イメージング研究分野)
一部指定・一部公募

高周波数超音波イメージングはコンピュータによる演算・画像化の高速化やサンプリングの高速化などの周辺技術にも助けられ、21世紀に入り身近な技術へと発展してきました。本セッションでは高周波数超音波による最新の高解像度イメージング技術を紹介するとともに、その臨床応用や今後の発展についても総合的に討論できるようなセッションを構成したいと思います。一部発表は公募にしますので、皆様の投稿をお待ちするとともに、異分野の方のセッションへの参加も歓迎いたします。

基礎7
シンポジウム 超音波医学におけるAI研究の現状と展望
座長 石原 謙 (愛媛大学大学院医学系研究科 医療情報学講座)
椎名 毅 (京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系医療画像情報システム学)
一部指定・一部公募

ビックデータデータベースを構築し、AI(人工知能)によりその解析と利活用を目指す流れは、医学・医療の分野でも、ゲノムデータ解析を始め、各領域に広がりを見せている。現在のAIブーム以前にも、超音波画像の計算機支援支援(CAD)の研究は、数多くなされてきたが、他のモダリティに比べ、超音波画像は、機種や手技依存性が高く教師データの均一性の確保の問題の克服から始まり、画像認識技術の難しさまで、課題が多いという先入観があるが、実用化すれば、医療技術の向上や、関連産業の発展の点で、貢献する部分は非常に大きい言える。このシンポジウムでは、超音波医学に関わるAI研究を進める上での課題の整理と、解決策を模索することにより、今後のAI研究とその利活用のあるべき姿を考える場としてみたい。

基礎1
パネルディスカッション IMT計測の自動化と精度管理
座長 椎名 毅 (京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系医療画像情報システム学)
石津 智子 (筑波大学医学医療系 臨床検査医学)
全指定

頸動脈内中膜厚(intima-media thickness、IMT)は、早期動脈硬化指標として危険因子や抗動脈硬化薬の効果判定のサロゲートエンドポイントとして世界中で広く使用されている。アメリカ食品医薬品局FDAにおいてIMTはサロゲートマーカとして認められているが、その使用には十分な精度管理が前提とされている。臨床的にIMTは0.1mmが重大な意味を持つ。検査時の画像データ取得や計測方法の世界標準化の一方で、超音波装置間差についてこれまで十分検討がなされていなかった。超音波法が臨床ツールとして生き残るためには、定量的計測値の装置間差がないことは不可欠の要素と言える。本セッションでは、IMTを取り上げ、超音波装置間差とその克服について深いディスカッションを期待する。

循環器領域

循環器1
シンポジウム SHDにおける超音波診断・治療ナビゲーション
座長 丸尾 健 (倉敷中央病院 循環器内科)
鶴田 ひかる (慶應義塾大学病院 循環器内科)
一部指定・一部公募

SHDインターベンションの治療技術進歩はめざましく、治療成否の大きな鍵を握るイメージング診断の役割はますます大きくなっている。術前イメージングにおいては、デバイス治療の適否と治療選択判断に必要な解剖構造を把握することが必要不可欠であり、心エコー、CTなど複数のモダリティを駆使した詳細な解析が求められる。一方、術中イメージングにおいては、リアルタイム性に優れた心エコーの重要度が非常に大きい。適切な画像描出により、デバイス位置、周囲構造との干渉、治療効果、合併症、追加治療の必要性などの判断が必要とされる。本セッションでは、各SHDインターベンションの主に手技中において留意すべきエコー診断について理解を深め、治療を支えるエコー診断技術の向上と今後の展望について議論を行いたい。

循環器2
シンポジウム 心筋症の診断・治療における心臓超音波検査の活かし方
座長 田邊 一明 (島根大学医学部 内科学第四)
大西 哲存 (兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科)
一部指定・一部公募

循環器疾患における心エコー図の役割の一つは、心不全の病態を視覚的に明らかにすることである。心不全の原因疾患である「心筋症」はいまだに診断、治療、予後に関し、日常診療でその病態評価に苦慮することは多く、さらなる研究の余地のある分野であろう。本セッションでは「拡張型心筋症」と「肥大型心筋症」に焦点をあて、”拡張型心筋症の予後評価における心エコー図の役割”と”閉塞性肥大型心筋症の治療における心エコー図の重要性”という2つのテーマを掲げた。一つのテーマをそれぞれ3名、計6名の演者に講演いただく予定である。各演者には、専門的かつ多角的な視野からの心エコー図の役割、さらに今後期待される方向性をご提示いただき、日常の心筋症診療において、どのような場面でいかに心エコー図画像を解釈し、心エコー図指標を使用するのかを聴衆に解説していただく。講演後の質疑応答では、実践的な観点から議論を深めて行ければと考える。

循環器3
シンポジウム 超高齢化社会における心臓超音波検査の役割
座長 増山 理 (兵庫医科大学 内科学循環器内科)
宮坂 陽子 (関西医科大学 循環器内科)
全公募

超高齢化社会を迎えた我が国において、高齢者の心血管系疾患も増加の一途を辿っている。その特徴として、自覚症状が明らかでない患者や、他臓器疾患を複数有する患者の割合が多いことなどが挙げられる。その様な特徴は病態把握や診断の確定に手間取り、治療方針決定にも遅れを生じる危険性につながる。そこで、非侵襲的に病態把握及び診断に大きな力を発揮する心臓超音波検査が高齢者ではますます重要なツールとなり得る。
具体的には、高齢者で大動脈弁狭窄症など弁膜症の割合が増加するが、経カテーテル的治療など選択肢も多様となっており、その適応や治療効果の予測にも心臓超音波検査が果たす役割は大きい。また、左室駆出率が保持された心不全の診断や予後予測などにも心臓超音波検査の指標は有用と考えられる。
そこで本シンポジウムでは、高齢患者の実地診療において心臓超音波検査をどのように生かすことができるか、その役割を考えていきたい。

循環器4
シンポジウム 心不全診療における心臓超音波検査の活かし方
座長 山本 一博 (鳥取大学医学部 病態情報内科)
石津 智子 (筑波大学医学医療系 臨床検査医学)
全公募

心不全とは心機能の低下により、全身臓器のうっ血あるいは低灌流をきたす症候群である。一度、代償不全に陥ると、病態は時々刻々と変化する。超音波はベッドサイドで、負荷や治療に対する心病態のダイナミックな変化を捉えることができる。その際、心臓を臓器としてそのポンプ機能を捉える、あるいは左室、左房、右室、右房と房室弁、半月弁といった局所の異常を捉えるというアプローチがあろう。また、最近では、心臓と腎臓、肝臓との連関に注目し、臓器の低灌流とうっ血に伴う臓器内血流動態や組織弾性の変化を捉える新しい方法も登場している。
このシンポジウムでは心不全日常診療にあたり、従来診断法の応用ならびに新しい診断法活用の提言をいただき、現代の心不全治療方針決定につながる超音波診断の知見を共有できる機会となることを期待する。

循環器1
パネルディスカッション Onco-Cardiologyにおける心血管超音波検査の活用法
座長 岩永 史郎 (埼玉医科大学国際医療センター 心臓内科)
山田 博胤 (徳島大学病院 循環器内科・超音波センター)
一部指定・一部公募

がんに対する集学的治療が進歩した結果、生存率は著しく改善しました。長期間生存者が増加するにつれ、合併症や治療の副作用としての心血管疾患が注目されるようになりました。例えば、乳がんの診断から10年が経過すると、がん死よりも心疾患死が多くなるという報告があります。心不全の原因として、アントラサイクリン系薬剤の心毒性は古くから知られています。分子標的薬でも、副作用として心不全や急性冠症候群の報告が散見されます。放射線治療でも動脈硬化が促進され、冠動脈疾患のリスクが増加します。また、進行がんではしばしば血栓塞栓症や血栓性心内膜炎を引き起こします。このようながん関連心血管疾患の診療において超音波検査は不可欠ですが、検査に携わる医療関係者で知識が十分に共有されているとは言い難い状況です。がん関連心血管疾患について理解を深め、超音波検査を如何に利用するか、本シンポジウムで考えていきます。

循環器2
パネルディスカッション 心臓手術と心エコー図:外科医と診る術前術中エコー
座長 尾辻 豊 (産業医科大学 第2内科学)
渡邉 望 (宮崎市郡医師会病院心臓病センター 循環器内科・検査科)
全指定

僧帽弁逆流に対する外科手術として本邦でも広く僧帽弁形成術が行われるようになり、周術期の心エコー図診断の役割が大きくなっている。近年3D経食道心エコー図の技術進歩も目覚ましく、術前に執刀医である心臓外科医と共に心エコー図画像を立体的に観察し、術式の想定、そして術中の病変確認と最終的な術式の把握、形成後の判定など、心エコー図を担当する循環器内科医は常に心臓外科医と術前術中の視野を共にし知識を共有することが、形成術の成績向上に重要である。しかし、現状は麻酔科医が術中エコーを担っている場合も多く、施設によっては時間的人員的制約などもあり循環医内科医がリアルタイムにかかわることが難しい現実もあり、外科医との密な連携に十分に心エコー図画像を活かすことが出来ない側面もあると思われる。多くの施設で形成術が行われるようになった今、改めて弁膜症手術におけるnoninvasive cardiologistの役割の重要性につき内科医・外科医双方の視点からディスカッションしてみたい。

循環器3
パネルディスカッション 心臓超音波検査の最新技術:本当に必要なの?
座長 大手 信之 (名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学)
竹内 正明 (産業医科大学病院 臨床検査・輸血部)
全指定

心臓超音波業界では毎年何らかの新技術が登場し、華々しく宣伝される。その中にはglobal longitudinal strainのようにその臨床的有用性が周知のものとなり、日常臨床の中でルーチン計測項目として使われているものもあれば、華々しい登場とは裏腹に、知らないうちに超音波機器の搭載から外れ、消えていく新技術もある。今回はその最新技術が本当に必要かということで、Vector Flow Mapping、全自動左室容量駆出率計測ソフトを取り上げて、それが本当に必要なのか?すなわち何か有益な病態生理に関する情報が得られるのか?臨床応用が可能なのか?ルーチン検査で使えるのか?その精度はどうなのか?について議論したい。

循環器4
パネルディスカッション ガイドラインの鵜呑みで本当にいいの?
座長 川合 宏哉 (兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科)
大西 俊成 (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
全公募

最近、医療現場だけではなく、世間一般でも「ガイドライン」という言葉を耳にする。一般に、「診療ガイドライン」とは、「医療者と患者が特定の臨床状況で適切な決断を下せるよう支援する目的で、体系的な方法に則って作成された文書」と定義され、近年は「エビデンスに基づいたガイドライン」により、かつて、医療者の経験論でなされた診断、治療が、大規模臨床試験などから得られる結果に基づいて行なわれるようになってきた。しかしながら、ガイドラインは、あくまでも標準的な指針で、すべての患者に画一的な診療を強制するものではなく、その功罪も問われている。
心エコー図検査は、心不全、弁膜症など循環器領域に関するガイドラインのほとんどすべてにおいて、重要な必須の検査法として挙げられている。
本セッションでは、「ガイドラインの鵜呑みで本当にいいの?」と題し、日常診療の中で、ガイドラインをどのように解釈するべきかを問うてみたい。

循環器5
パネルディスカッション ERで求められる心血管超音波検査
座長 西上 和宏 (御幸病院 LTAC心不全センター)
泉 知里 (天理よろづ相談所病院 循環器内科)
全指定

エコー図検査の最大の利点はベッドサイドで行えるということです。そのため、救急の現場で、特に心血管疾患では、重症患者も多く一刻を争って治療方針を決めなければならない状況が多く、心血管エコー図検査のERにおける役割は大きいと考えます。患者さんが病名を名乗ってERに来院されるのではなく、症状や患者さんの状態から鑑別診断を挙げながら、検査を進めていくことになります。救急の現場では十分な検査ができない状況であることもあり、患者の状態に合わせて検査項目を取捨選択しながら短時間に行うことが必要とされます。このセッションでは、実際の症例を提示しながら、どのように考えどのように検査を行いどのように迅速な治療につなげていくかについてディスカッションしていきたいと思います。

循環器6
パネルディスカッション 負荷心臓超音波検査の活かし方・落とし穴(症例ベース)
座長 赤石 誠 (東海大学医学部付属東京病院 循環器内科)
山野 哲弘 (京都府立医科大学 臨床検査部 / 循環器内科)
全指定

負荷を加えて心臓を評価する目的は、対象となる疾患で異なる。よって負荷方法も評価項目もそれぞれの病態で異なっている。その複雑さゆえに、負荷心エコー図は、未だに十分に普及してはいない。日常臨床において虚血性心疾患の評価のための負荷心エコー図をもっと普及させるためには何が必要なのか。低流量低圧較差大動脈弁狭窄(AS)や無症候性重度ASに対する弁置換術の適応を評価するための薬物負荷や運動負荷、機能性僧帽弁逆流(MR)に対する、MR発症予測の評価のための運動負荷などが行われる。カテーテル治療の普及に伴い、弁膜症に対する負荷心エコー図の需要は増大する。運動誘発性肺高血圧が、臨床的に何を意味しているか、そして、それを評価する意義、さらにそれに対する介入の是非は、まだ議論の余地がある。これらについて、講演を頂き、負荷心エコー図がより臨床現場に普及するような役立つ議論を行いたい。

消化器領域

消化器1
シンポジウム 肝臓 NASH NAFLDの診断と病期予測
座長 鹿毛 政義 (久留米大学先端癌治療研究センター 分子標的部門)
熊田 卓 (大垣市民病院 消化器内科)
日浅 陽一 (愛媛大学大学院医学系研究科 消化器・内分泌・代謝内科学)
全指定

NAFLDにおけるNASH、NAFLの鑑別には肝生検が有用であるが、より低侵襲な鑑別方法として、各種血液検査マーカーの他に画像検査、とりわけ超音波を用いた検査の有用性が報告されている。また、これら画像検査法は、病期診断とともに経過の中で複数回行うことにより予後予測、治療効果の判定のため臨床上きわめて有用と考えられる。一方で、診断精度の確認と、診断エラーを回避するためには、超音波検査と病理所見の対比が必要であり、超音波検査の長所、短所を理解した上での、エビデンスに基づいた診断規準の策定が必要とされている。超音波を含めた各種画像デバイスの特徴と問題点について、その道のエクスパートに演者を指定し広く議論したい。

消化器2
シンポジウム 消化管 腸閉塞の超音波診断
座長 黒肱 敏彦 (帯山中央病院)
畠 二郎 (川崎医科大学 検査診断学)
一部指定・一部公募

腸閉塞の超音波像として腸管の拡張像を反映したいわゆるキーボードサインが広く知られており、ERでのトリアージにおいてはこのサインを描出することが主目的であろう。一方で機器性能も格段に向上した現在、手術適応も含めたより詳細な評価が可能であると考えられる。腸閉塞の診断において最も重要なのは単純性と複雑性(絞扼性)の鑑別であり、CTでも特に早期の診断は必ずしも容易でないことから、リアルタイム性に優れた超音波診断への期待は大きい。そこで今回は、治療方針の決定に役立つ一歩進んだ超音波診断についてその現状を明らかにしたい。シンポジウムであることから、珍しい症例や幸運な1症例の発表ではなく、ある程度普遍性のある内容の演題を希望する。どのような点に注目してどのように検査すればどこまで診断できるのか、新たな知見とともに、超音波を行う者にとっての到達目標が示されることを期待している。

消化器3
シンポジウム 肝臓 慢性肝疾患および門脈圧亢進症・肝血流の超音波診断
座長 住野 泰清 (JCHO東京蒲田医療センター 消化器内科)
國分 茂博 (新百合ヶ丘総合病院 肝疾患低侵襲治療センター)
全公募

正常の肝臓は、緻密な血流バランスコントロールのもとに代謝の中枢として機能している。その血流バランスはさまざまな肝疾患により変化をきたすが、特に慢性肝疾患の進展による肝内の様々な組織学的変化は、門脈の血流抵抗を増加させ門脈圧の上昇をきたす。門脈圧が上昇すると、肝外では食道胃静脈瘤破裂や巨大門脈側副血行路による肝性脳症、腹水や脾機能亢進など、いわゆる門脈圧亢進症が発現し、肝自体においては門脈血流の低下による肝機能障害が問題となる。
さらに近年DAAによるHCVの駆除は容易となったが、Point of No Return、即ち慢性肝疾患における肝硬変、特に門脈圧亢進症への進展は止められない、という事証も指摘されている。本シンポジウムでは、これら肝を取り巻く血流障害の診断とその変化を捉える超音波検査の有用性をご発表いただき、今我々にできることそして、今後の課題を明らかにしたい。

消化器4
シンポジウム 膵臓 膵疾患における造影超音波検査の進歩-up to date-
座長 北野 雅之 (和歌山県立医科大学 消化器内科)
祖父尼 淳 (東京医科大学 臨床医学系消化器内科学分野)
全公募

各種画像診断の進歩により膵病変の描出・診断能は飛躍的に向上した。その中でも体外式超音波 (US) 検査のみならず空間分解能の高い超音波内視鏡(EUS)検査の進歩はめざましいものがある。1980年代より導入されたパワードプラ法をはじめ、経静脈性超音波造影剤を用いた造影超音波検査の登場、さらには第2世代の超音波造影剤と新しい造影手法が開発され、リアルタイムに膵病変の血流動態を評価することが可能となった。さらには現在EUSにおいても造影超音波診断が可能となっている。こうしたUS,EUS診断は病変の存在診断にとどまらず質的診断、治療効果判定、穿刺生検支援へと可能性を大きく広げつつある。本セッションでは、膵疾患における造影超音波診断のup-to-dateをUSおよびEUSそれぞれの立場から報告していただき、今後の造影超音波診断の新たな展望と進歩の一助となれば幸いである。多数の応募を期待する。

消化器5
シンポジウム 肝臓 エラスト エラストグラフィは何を見ている?
座長 森安 史典 (国際医療福祉大学 山王病院 がん局所療法センター)
蜂屋 弘之 (東京工業大学 工学院システム制御系)
飯島 尋子 (兵庫医科大学 超音波センター)
全公募

超音波エラストグラフィにはStrain法とShear wave法がある。Strain法はプローブの圧迫や心拍動の影響により生じる組織の歪みの程度や不均一性により組織の硬さを知る方法である。Shear wave法は、超音波のpush pulseや外部からのバイブレーターにより組織内に生じた剪断波の伝搬速度を測定し、組織の硬さを知る方法である。
Strain法では、線維化に代表される弾性の変化を反映しているが、Shear wave法では、壊死炎症、脂肪沈着、うっ血などによる組織の粘性の変化により、剪断波の伝搬速度が変化することが知られている。
肝炎診療の現状も変化し、HCVは完治し、HBVも抑制可能であるが一定の割合で肝癌は発生し特に高齢者ではその頻度が高い。脂肪肝、糖尿病、アルコールなど生活習慣病に伴う肝細胞癌が増加し高危険群の囲い込みも問題となっている。
超音波エラストグラフィは、2次元カラーマッピングにより、肝臓の硬さから、発癌予測や肝腫瘍の鑑別診断や局所治療後の治療評価などにも応用が拡がる可能性がある。
本セッションでは、工学的、臨床的両面から、超音波エラストグラフィが肝の諸種の病態解明につながるような演題や討論を期待する。

消化器6
シンポジウム 肝臓 診断 肝腫瘍の悪性度診断~Bモード・エラスト・Sonazoid造影~
座長 小川 眞広 (日本大学病院 消化器内科/超音波室)
土谷 薫 (武蔵野赤十字病院 消化器科)
全公募

超音波検査が非侵襲的な検査法として肝腫瘍のスクリーニング検査としての位置に留まっている施設は少なくない。現在のCT、MRI検査の進化と普及率の高さが一因とは考えられるが、1腫瘍の評価に的を絞れば超音波検査の時間・空間分解能の高さは他の検査法を凌駕する詳細な情報が得られ精密診断としても利用可能であると考えられる。悪性腫瘍の診療においては、局所における画像診断から得られる悪性度診断を行うことは治療選択上からも必須となっており、総合画像診断における超音波診断役割を確認する必要がある。超音波診断装置も日々進化しており、B-mode、ドプラの血流感度、造影超音波検査、エラストグラフィーなど多項目において改良され実臨床で実感できるようになっている。そこで、本シンポジウムでは超音波診断の機能別に肝腫瘍に対する悪性度診断について時点での可能性について演者に発表を頂きこの知識を共有し明日以降の日常診療に役立てられることを期待したい。

消化器7
シンポジウム 肝臓 診断 肝腫瘤の診療ガイドラインを考える
座長 建石 良介 (東京大学大学院医学系研究科 消化器内科学)
廣岡 昌史 (愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学)
全公募

日本超音波医学会による「肝腫瘤の超音波診断基準」は、1988年に初版が公表された後20数年を経て、その後の超音波テクノロジーの進歩を勘案して2012年に改訂・公示され、広く受け入れられてきた。本基準は存在診断と質的診断の2項目に大別され、質的診断ではBモード、ドップラー、造影検査についてそれぞれ記載されている。近年は、エラストグラフィーを用いた肝腫瘤の硬度測定による悪性度診断の試みや、造影検査においてもlow MI法などの新しい手法への取り組みが報告されている。本セッションではこれら最新の知見に基づく超音波による肝腫瘤の診断法について発表いただき、新たな診断基準の確立に向けた討論を行いたい。多くの演題応募を期待する。

消化器1
パネルディスカッション 膵臓 現行膵癌超音波診断基準の見直し
座長 真口 宏介 (手稲渓仁会病院  消化器病センター)
廣岡 芳樹 (名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部)
全指定

2013年に改訂された膵癌超音波診断基準には膵癌以外の腫瘍を含め充実性と嚢胞性に区分し且つ炎症性疾患も含めて扱っている。その後、各疾患の診断基準・ガイドライン等が改定され、疾患概念の変更あるいは新たに確立されたものも存在する。一方、超音波観測装置は日々進歩し、造影超音波検査やエラストグラフィーなどの膵腫瘍診断における有用性が多数報告されてきている。また、2016年に改訂された膵癌取扱い規約では膵癌切除判定は造影CTを基準として作成されており、膵癌の診断体系における、現時点での超音波検査・超音波内視鏡検査の役割を再考するがある。本セッションでは、1)新診断基準に含める疾患どこまでとするか 2)各疾患の診断基準および用語は適切か3)診断手技の現行分類(USとEUS)は妥当か 4) 超音波造影剤など新規診断法を診断基準に加えるか 5)組織採取による確定診断の位置付けは、など多角的な視点から議論を進めたい。

消化器2
パネルディスカッション 腹部point-of-care US
座長 畠 二郎 (川崎医科大学 検査診断学)
亀田 徹 (安曇野赤十字病院 救急科)
一部指定・一部公募

本邦においてpoint-of-care US(POCUS)という言葉がしばしば聞かれるようになったが、その概念の共有は十分に進んでいないのが現状である。POCUSはpoint-of-care testingの一部という考え方もあるが、歴史的にはUS専門家以外の医療従事者がベッドサイドで焦点を絞って行う様式として欧米諸国で発展してきた。このセッションでは、腹部領域の中で消化器と腹部血管を取り上げ、①どの部位がPOCUSの対象として妥当か、②POCUSとしてどの程度の診断能を有するか、③診療の中でどのように位置づけるかについて、各領域からご講演いただき、総合討論を通じて腹部POCUSのフレームワーク、プロトコルにつき合意形成につなげてゆきたい。

消化器3
パネルディスカッション 肝臓 治療 安全かつ確実なRFA治療を目指した超音波技術の工夫
座長 今井 康晴 (順天堂大学大学院医学研究科 消化器画像診断・治療学)
黒松 亮子 (久留米大学 内科学講座消化器内科部門・超音波診断センター)
一部指定・一部公募

RFA治療開始当初、RFAにおける超音波画像支援は主にBモード画像が中心で、RFA治療時の穿刺ガイドが主であった。近年、造影エコー、シミュレーション画像、Navigation systemなど超音波装置の進歩により、治療前診断から治療後効果判定に至るまで幅広い超音波画像支援が可能となり、RFA治療は大きく変わりつつある。
一方、本邦ではRFA治療の保険収載後約14年が経過し、肝癌の根治的治療法のひとつとして普及した。 RFAの治療成績や合併症について多くの報告がなされ、問題点も明らかになった。今後は、患者の高齢化に伴い、安全かつ確実な治療が望まれる。
本パネルディスカッションでは、RFA治療の安全性や確実性の向上を目指した超音波技術について、超音波装置の進歩に関連した演題に加え、汎用装置を駆使した工夫について、演題の応募を期待する。工夫の前後での改善Dataも示していただき、議論をしたい。

消化器4
パネルディスカッション 胆嚢癌を見直す
座長 藤田 直孝 (みやぎ健診プラザ 副所長)
岡庭 信司 (飯田市立病院 消化器内科)
全指定

胆道癌診療ガイドラインでは、超音波検査(US)は血液検査と共に胆嚢癌のファーストステップで施行すべき検査であり、US検診発見胆嚢癌の生命予後が良いことからUS検診の成果も期待できる癌とされている。しかし、発見される早期癌の多くはポリープ型の隆起性病変であり、平坦型の診断は未だ困難である。さらに、結石の存在や胆嚢腺筋腫症などにより病変の拾い上げが困難な例にも遭遇する。
今回のワークショップでは、検診発見胆嚢癌の特徴や日常診療で遭遇しやすいポリープの鑑別に加え、胆嚢癌との因果関係が疑われている疾患に併存する癌の特徴や造影USの可能性などにつきご報告頂き、早期胆嚢癌の拾い上げに繋がることを期待する。

消化器5
パネルディスカッション 膵臓 慢性膵炎の超音波診断(高輝度膵含)
座長 糸井 隆夫 (東京医科大学 消化器内科)
橋本 千樹 (藤田保健衛生大学 肝胆膵内科)
一部指定・一部公募

慢性膵炎は非可逆性で進行性の慢性変化が特徴とされている。「慢性膵炎診断基準2009」では早期慢性膵炎の概念が導入された。その診断基準では、早期慢性膵炎の画像診断には超音波内視鏡検査(EUS)の施行が必須とされているが、EUS所見が病理学的変化の何を表しているかは不明であり、その異常所見は客観性に乏しいことなど慢性膵炎診断基準には未解決の問題点も存在する。また、高輝度膵はしばしば認められる所見ではあり、慢性膵炎、加齢、糖尿病、肥満などとの関連が報告されているが、臨床的意義については未だ明らかでない。本パネルディスカッションでは、早期慢性膵炎を含む慢性膵炎や高輝度膵において、超音波所見と病理所見の対比、膵癌、IPMN、自己免疫性膵炎との鑑別診断、超音波エラストグラフィなど新しいモダリティによる膵線維化の評価など様々な視点から超音波検査の役割を討論したいと考えている。多くの演題応募を期待する。

消化器6
パネルディスカッション 消化管 消化管のスクリーニングとその有用性
座長 長谷川 雄一 (成田赤十字病院 検査部 生理検査課)
本田 伸行 (寺元記念病院 画像診断センター)
全指定

消化管USは検者の技量に大きく左右される領域であり、超音波診断装置の取扱いに精通しておく必要がある。フォーカスの関心領域への移動や画像の拡大などは超音波検査の基本だが、消化管では、1)ゲインを低めに設定する、2)ダイナミックレンジをやや狭めてコントラストをつける、3)ハーモニックイメージングを使用する、4)適宜体位変換と探触子による圧迫を加える、5)コンベックス型探触子でスクリーニングを行い、リニア型高周波探触子でさらに消化管壁の層構造などの詳細を観察する、といった手順も重要である。こういった基本的な知識に乏しいために消化管USを敬遠している方も多いように思われる。今回は座長による消化管スクリーニングの基礎講演を行い、次いで主要メーカーの方々に消化管に焦点を当てた超音波診断装置の特色と調整方法、お薦めのアプリケーションソフトなどを具体的に解説して頂く予定である。

産婦人科領域

産婦人科1
シンポジウム 卵巣腫瘍
座長 関谷 隆夫 (藤田保健衛生大学医学部 産婦人科学講座)
市塚 清健 (昭和大学横浜市北部病院 産婦人科)
全指定

 日本超音波医学会においては、1994年に用語・診断基準委員会から卵巣腫瘤エコーパターン分類(案)が公示され、2000年には理事会の承認を得て医用超音波診断基準として正式な公示に至りました。一方、欧州においては1999年にThe International Ovarian Tumor Analysis (IOTA) groupが発足し、卵巣腫瘤の良悪性所見分類と各種のリスク評価法が示され、人種的に卵巣悪性腫瘍の頻度が高いことも相俟って、広く認知・普及しつつあります。また、それ以外にも多くの手法が提唱されておりますが、見解が統一していないのが現状です。そこで、本セッションにおいては、わが国における卵巣腫瘤の超音波診断について各専門家の意見を聞き、今後我々がどのように進むべきなのかを議論して参りたいと考えております。

産婦人科2
シンポジウム 子宮病変
座長 桑田 知之 (自治医科大学附属さいたま医療センター 産婦人科・周産期科)
長谷川 潤一 (聖マリアンナ医科大学 産婦人科学)

産婦人科で取り扱う中心ともいえる子宮に関連する病変の超音波診断についてのシンポジウムを行い、その演題を募集する。臨床研究や、超音波の新技術によって得られた診断に役立つ、新しい知見をディスカッションすることが目的である。疾患については、妊娠、非妊娠を問わないが、子宮自体の病変を対象とする。腫瘍性病変、血管性病変、内腔病変などが想定される。検査方法についてはBモード、ドプラ、それに派生する新技術を用いたものでよいが、症例報告ではなく、系統立てた研究結果、再現性の高いと考えられる知見に関する演題とする。

産婦人科3
シンポジウム 胎児MRI・CTの現状と未来
座長 宮嵜 治 (国立成育医療研究センター 放射線診療部)
中田 雅彦 (東邦大学大学院医学研究科 産科・婦人科学講座)
全指定

近年、胎児診断へのCTおよびMRIの応用とその発展は目覚ましいものがある。超音波診断装置では評価が困難な骨系統疾患などの形態異常に対して、超音波診断を補完するのみならず、CTやMRIの有意性を認めることも多い。本セッションでは、胎児MRIの現況、胎児CTと被曝提言への取り組み、胎児MRIの骨系統疾患への応用、および、世界的にも先駆的な我が国の骨系統疾患フォーラムの取り組み等について紹介する。

産婦人科1
パネルディスカッション 子宮頸管長計測の意義を問い直す
座長 吉田 幸洋 (順天堂大学医学部附属浦安病院 産婦人科)
菊池 昭彦 (岩手医科大学医学部 産婦人科学講座)
全指定

子宮頸管長計測は、早産ハイリスク群のスクリーニングや切迫早産管理のため、日常の産科臨床で広く行われている。本法の有用性に関しては多くの文献報告があるものの、一方では否定的意見もあり限界も指摘されている。わが国の妊婦健診・周産期医療の現状に基づいた有効な頸管長計測時期や検査対象妊婦を、スクリーニング目的とハイリスク群管理のそれぞれの面から考慮する必要がある。また、頸管長計測以外にも超音波を用いた妊娠子宮頸管評価法がいくつか報告されており、各手法の意義と限界を明らかにして、頸管長計測と互いに補完しうるか否かについて明らかにしたいものである。各指定演者には、頸管長計測に関するレビューから始めて、本法開始時の状況から現時点における意義と限界、そして新たな頸管評価法について報告していただき、わが国におけるより有効な妊娠子宮頸管評価法の確立に向けたパネルディスカッションとなることを望んでいる。

産婦人科2
パネルディスカッション 胎児心エコーとカラードプラ
座長 宮越 敬 (慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室)
松岡 隆 (昭和大学医学部 産婦人科学講座)
全指定

先天性心疾患は最も遭遇することの多い先天異常で、その出生前診断が児の予後に直結する疾患のひとつである。出生前診断の端緒となる胎児スクリーニングでは、主にB modeを用いて心臓構築を評価するが、カラードプラの使用については各種ガイドライン上もコンセンサスを得ていない。また、胎児スクリーニング実施時期が妊娠中・後期から初・中期へ移行しつつあるなかで、検査時期によるカラードプラの役割も異なるものと推測される。一方、精密検査では、カラードプラやパルスドプラは病型や予後評価を判定する上で必要不可欠な検査法である。このように、胎児心臓超音波検査におけるカラードプラの役割は様々であり、その使用や有用性に関して検討すべき時期とである。そこで、本パネルディスカッションでは、胎児心臓超音波検査(スクリーニング、精査、検査時期)におけるカラードプラの役割、有用性および使い方(設定を含む)について議論したい。

産婦人科3
パネルディスカッション 双胎の妊婦健診における超音波検査のあり方
座長 高橋 雄一郎 (長良医療センター 産科)
石井 桂介 (大阪母子医療センター 産科)
一部指定・一部公募

双胎妊娠は周産期におけるハイリスクであり、流早産、胎児発育不全、および先天異常の頻度が高いと言われています。また一絨毛膜双胎では、双胎間輸血症候群などの特有の重篤な合併症があります。これらの予知・早期診断によって、その後の適切な対応に繋げることが望まれています。しかしながら、双胎妊娠の妊婦健診における望ましい超音波検査のあり方(いつ誰が行うか、どの項目を見るか等)に関する議論は少ないのが実情です。そこで、双胎妊婦に対する外来診療(主に妊婦健診)における望ましい超音波検査の用い方を考える機会として、このパネルディスカッションを企画いたしました。本邦における双胎妊娠に対する効果的な超音波検査のあり方を考えるたたき台となれば幸いです。

小児領域

小児1
シンポジウム 小児超音波検査のpitfallー正常?異常?ー
座長 森 一博 (徳島県立中央病院 小児科)
市橋 光 (自治医科大学附属さいたま医療センター 小児科)
全指定

超音波検査は、被曝がなくベッドサイドで繰り返し行えるため、小児領域における第一選択の画像診断である。診断能力が検者に依ることが問題であるが、逆に検者として診断能力を向上させる技術と知識を身につける必要がある。その中で重要なものの一つが、一見異常と思われるが病的意義のない構造物やアーチファクトの知識である。これらは、実際のエコー検査を行う上では、きわめて重要な知識であるにもかかわらず、病的意義はないため、教科書に載っていないことも多く、研修や教育講演などで取り上げられることも少なかった。特に小児領域では、胎生期の遺残物なども多く、病的意義のないエコー所見を理解しておく必要がある。このシンポジウムでは、様々な領域を網羅して、これらのエコー所見を総ざらいする予定にしている。明日からのエコー検査に必ず有用であることを確信している。

小児2
シンポジウム 小児腎・尿路感染症と尿路奇形の超音波診断
座長 余田 篤 (大阪医科大学 泌尿生殖発達医学講座小児科)
河野 達夫 (東京都立小児総合医療センター 放射線科)
全指定

小児の腎尿路疾患では,腫瘍性疾患より尿路感染症(UTI)が多く,乳児の発熱性疾患の5%前後がUTIに起因する。UTIには腎盂腎炎,急性巣状細菌性腎炎,腎膿瘍,膀胱炎などがあげられる。また,乳幼児のUTIでは先天性尿路奇形を高率に合併し,これらを複雑UTIと称する。尿路奇形で超音波が診断に有用な疾患は,水腎症,水尿管,低形成腎・片腎・萎縮腎,馬蹄腎,重複腎盂・重複尿管,嚢胞性腎疾患,膀胱憩室,尿管瘤などがある。一般に,UTIに特異的な超音波所見は得られにくく,超音波の感度も特異度も高くない。したがって,UTIで超音波が推奨される理由は,上記の先天性尿路奇形を有する患児は腎機能障害に進展しやすく,それらの尿路奇形を早期に診断することで慢性の不可逆性の腎機能低下を防ぐことである。これらの尿路奇形を中心に腎尿路疾患を早期に診断するために,小児の不明熱や尿路感染症では早期の超音波検査が勧められる。

小児3
シンポジウム 先天性心疾患:術後の心エコー
座長 市橋 光 (自治医科大学附属さいたま医療センター 小児科)
瀧聞 浄宏 (長野県立こども病院 循環器小児科)
全指定

医学の進歩により、今まで助からなかった先天性心疾患の手術が可能になり、先天性心疾患患者の半数以上は成人が占めるようになった。しかし、手術後の心臓は必ずしも根治しているわけではなく、特有の循環、合併症を有することが少なくない。今までの本学術集会でも、成人先天性疾患は大きなテーマになっており、その中で術後の心エコーの講演もなされている。しかし、多岐にわたる先天性心疾患とその手術、術後の血行動態を理解するのは容易ではない。本シンポジウムでは、先天性心疾患の術後の心エコーの提示を中心に、心疾患そのものの理解も深めるために術前の心エコーや手術方法についても提示する。先天性心疾患の術前のエコー、手術、術後のエコーを系統的に学ぶことにより、成人先天性心疾患の中で最も苦手とされているであろう術後の心エコーの理解が深まると思われる。

乳腺領域

乳腺1
シンポジウム
Bモード、エラストグラフィ、バスキュラリティ評価を駆使した乳房超音波検査
-Comprehensive Ultrasoundで病理像を想定しよう
座長 中島 一毅 (川崎医科大学総合医療センター 総合外科学)
伊藤 吾子 (日立製作所 日立総合病院 乳腺甲状腺外科)
一部指定・一部公募

乳房超音波検査では、B mode(B)による形態診断(形状、辺縁、境界線、内部・後方エコー、不随所見(halo)など)だけでなく、硬さの分布と程度を評価できるElastography(E)、簡易に血流評価するDoppler(D)、微細血流も訓細に観察できる造影剤を使うContrast-Enhanced Ultrasound(C)も使われる。超音波検査は本質的に撮像者の技術に画質が依存する欠点がある。幸い、この撮像精度管理は他のすべてのモード(D、E、C)に共通する手法であるため、B modeをきちんと撮像できれば他のモードも十分に性能を引き出せていることになる。さらに、B、E、Dは同じ探触子操作で、スイッチを切り替えるだけで瞬時に切り替えが可能であるため、全モードを併用して、病変の検出、診断をすすめることが可能である。重要な概念であるので、2012年にcomprehensive ultrasoundと命名し報告した。超音波診断の最大の目的は、病理診断を予測することである。Comprehensive ultrasoundでは、形態、硬さ、血流情報を複合し、病理診断を予測できるため、高い精度で病理像の推察が可能である。本セッションでは、この病理像の予測についての診断ロジックや工夫、逆に特定の病理所見を描出するための装置条件、撮像法などについて、本手技のスペシャリストの先生方にご講演していただき、病理像を推察する超音波検査法の基礎をディスカッションしていきたい。

乳腺2
シンポジウム ここまで見える“乳房超音波”
座長 尾羽根 範員 (住友病院 診療技術部 超音波技術科)
奥野 敏隆 (神戸市立西神戸医療センター 乳腺外科)
全指定

乳房超音波診断はBモード法による形態診断が基本であるが、それにドプラ法による血流情報、エラストグラフィによる組織の歪みの情報を追加することができるようになった。超音波診断装置の高画像化技術の進歩が見えなかったものが見える解像度を実現した。腫瘤内部の性状、付随する乳管内病変、石灰化病変の病理組織像をBモード画像で忠実に表現できるようになった。また、各種高精細ドプラ法を用いることにより低流速で微細な血流の描出を可能とし、血流があるかないか、多いか少ないかだけでなく、血流の病理像を理解することが可能となった。さらにストレインエラストグラフィは機種を問わず装備され、広く用いることのできる検査法となった。技術者の方には病理組織像を表現できる超音波技術の解説を、臨床医には病理組織像と対比して、「ここまで見える乳房超音波画像」を提示していただきたい。

乳腺1
パネルディスカッション Dense breastに対する補助的乳房超音波検査
座長 大貫 幸二 (岩手県立中央病院 乳腺・内分泌外科)
広利 浩一 (兵庫県立がんセンター 乳腺外科)
一部指定・一部公募

高濃度乳房を有する女性は、マンモグラフィ検診での感度低下のみならず乳がん発生率も上昇することが示されている。この問題は、昨今、マスコミの話題にも取り上げられており、一般社会でもこの問題に関する関心が高まっている。高濃度乳房を有する女性に対する対策の一つとして、乳房超音波検査に注目が集まっている。また、2018年に発刊予定の日本乳癌学会診療ガイドラインのCQにも取り上げられる予定である。今回、本シンポジウムでは、この主題に関係する先生方に登壇していただき、最新のトピックスをお話いただく予定である。また、この主題に関して、乳房の構成の通知と超音波検査の勧誘方法、検査方法の精度管理と技師の養成、マンモグラフィと超音波検査の総合判定などに関する演題を募集する。

乳腺2
パネルディスカッション 乳がん広がり診断における造影超音波
座長 平井 都始子 (奈良県立医科大学付属病院 総合画像診断センター)
島 宏彰 (札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科)
一部指定・一部公募

乳がん術前症例に対する広がり診断において造影超音波(CEUS)の有用性が注目されている。CEUSは広がり診断の向上に寄与する可能性が示唆されているものの、実際にどのように切除範囲決定の指標とすべきかについて明らかにされていない。そのため、現在知られている造影所見が病理所見と照らしてどのようなものであるかを把握する必要がある。このセッションでは、CEUSと病理所見との比較をベースに、実際の症例を通じて日常臨床でどのような病変に有用か、あるいは、さらなる応用にどのような工夫が必要かといった観点でもディスカッションをしていきたい。

乳腺3
パネルディスカッション 非腫瘤性病変における超音波画像評価のポイント
座長 東野 英利子 (つくば国際ブレストクリニック)
渡辺 隆紀 (仙台医療センター 乳腺外科)
全公募

乳房超音波検査における非腫瘤性病変は腫瘤としては認識・評価の難しい乳癌の検出・診断に役立ちますが、正常と異常との区別が難しく、また良性病変が多いという問題点があります。非腫瘤性病変には乳管の異常、低エコー域、構築の乱れなどが含まれますが、それぞれの画像で評価ポイントも異なると思われます。そこで、ここでは非腫瘤性病変における適切な超音波画像を評価するためのポイントについて検討したいと思います。
特に

  • 検診における非腫瘤性病変評価のポイント(b-modeを中心に特異度を下げずに要精査病変を拾い上げる画像の残し方、評価の仕方)
  • 非腫瘤性病変として見られる非浸潤癌と浸潤癌の違い
  • 非腫瘤性病変における血流情報(造影超音波を含む)、エラストグラフィなどの参考所見を加味することの有用性

等について演題をお寄せいただければと思います。

甲状腺領域

甲状腺1
シンポジウム 小児甲状腺がん
座長 貴田岡 正史 (イムス三芳総合病院 内分泌・代謝センター)
志村 浩己 (福島県立医科大学 臨床検査医学講座)
全指定

東日本大震災後に発生した福島第一原子力発電所事故後に開始された福島県県民健康調査「甲状腺検査」が行われていることから、小児甲状腺癌に対する関心が高まっています。それに伴い、これまで余り知られていなかった小児甲状腺癌の臨床像、超音波所見、治療成績等が最近明らかになってきており、今後、小児甲状腺癌に対するガイドライン策定も望まれております。今回のシンポジウムでは、小児甲状腺癌に関する研究を推進しておりますシンポジストにより、現時点までの研究成果を紹介して頂き、今後の課題について議論を行いたいと考えております。また、本学会の会員にも日常臨床に役立つ情報が多く得られるシンポジウムになると期待されます。

甲状腺2
シンポジウム 甲状腺腫瘤(結節)についての超音波診断基準改訂について
座長 鈴木 眞一 (福島県立医科大学附属病院 甲状腺・内分泌外科)
福成 信博 (昭和大学横浜市北部病院 外科系診療センター 外科)
一部指定・一部公募

甲状腺結節(腫瘤)超音波診断基準は2011年にそれまでの乳頭癌だけでなく全ての甲状腺癌の基準として作成された。しかし、この基準は大半がBモード所見によるものであり、現在の超音波機器の普及によってドプラ法やエラストグラフィーが日常使用されるようになった。そこでこれらの新技術を導入した診断基準の改訂が考えられる。本セッションでは改訂を踏まえた、縦横比の検討や血流評価の検討やエラストグラフィーの基準への導入について議論していただきたい。

甲状腺1
パネルディスカッション リンパ腫の鑑別診断とマネージメント
座長 宮川 めぐみ (宮川病院 内科)
村上 司 (野口病院 内科)
全指定

甲状腺原発リンパ腫は比較的予後の良い腫瘍とされている。ほとんどの例は橋本病を基礎に持つため、高齢女性に好発する疾患である。人口の高齢化に伴い今後発症頻度が高まる可能性があり、一方で超音波検査の普及により自覚症状に乏しいリンパ腫が偶発的に診断される機会も増えていると思われる。
超音波検査はリンパ腫の診断に有用な手段であるが、中には診断の難しい例もある。超音波検査を中心とした診断のポイントに関する討議だけでなく、治療とその後の管理や予後にまで踏み込んだディスカッションを予定している。

甲状腺2
パネルディスカッション
甲状腺癌の超音波によるサーベイランス(アクティブサーベイランスを含む)
座長 鈴木 眞一 (福島県立医科大学附属病院 甲状腺・内分泌外科)
福島 光浩 (神甲会 隈病院 外科)
一部指定・一部公募

甲状腺疾患には超音波検査は今や第一選択のツールになっている。術前の良悪性の鑑別診断だけでなく、低侵襲でなおかつ外来診察でも可能ということから、手軽に使用されている。甲状腺癌術後の場合、局所再発は今までは頸部触診が主だったが、現在では診察室でのエコー検査も重要となってきている。残存甲状腺再発やリンパ節再発の有無など術後サーベイランスに対する本検査の役割は重要になってきている。さらに甲状腺微小癌では十分な同意の元に非手術的経過観察すなわちアクティブサーベイランスを行う。この際にも腫瘍の増大や、甲状腺外浸潤やリンパ節転移に関してもエコー検査が重要となってきている。これらにつき、各専門施設からサーベイランスの実際の方法とスケジュールなどについて報告していただき、現時点での本邦の超音波によるサーベイランスの標準化を模索したい。

泌尿器領域

泌尿器1
シンポジウム 低侵襲超音波診療update -超音波ガイダンス治療・下部尿路機能評価を中心に-
座長 浮村 理 (京都府立医科大学 泌尿器科)
皆川 倫範 (信州大学医学部 泌尿器科学教室)
全指定

泌尿器科領域における超音波検査の重要性は歴史的に明らかである。一方で、小線源によるfocal therapy、ロボット手術、新薬、再生医療など、新技術・新治療は次々と登場している。新技術・新治療の登場により、超音波検査が重要性に乏しくなるかというと、その反対である。今日において、超音波検査の役割はさらに重要なものになっている。今回、泌尿器科領域における新技術・新治療における超音波検査の役割を、治療・検査両面からの発表を頂く。治療に於いて、ロボット支援腎部分切除術における術中超音波検査と、小線源の前立腺癌focal therapyにおける超音波-MRI fusion biopsyについてのご発表を頂く。また、検査に於いては、尿道機能の再生医療と下部尿路症状治療薬の治療効果判定として、泌尿器科領域における造影超音波検査の新たな役割についてのご発表を頂く。

泌尿器2
シンポジウム 小径腎腫瘍術前術後の画像評価のポイント
座長 陣崎 雅弘 (慶應義塾大学医学部 放射線科学)
本郷 文弥 (京都府立医科大学大学院医学研究科 泌尿器外科学)
全指定

腎癌の診断、特にスクリーニングにおいて、超音波診断の有用性は広く認められている。腹部超音波検査の普及により、偶然に発見される腎癌の頻度が上昇した。また、健診等で発見されることの多い小径腎癌については近年では腎機能温存の重要性により、腎部分切除術が選択されるようになってきた。さらに治療の低侵襲のためにロボット支援腹腔鏡下の腎部分切除も行われるようになってきた。
本シンポジウムでは小径腎腫瘍における超音波診断の最前線について、画像評価のポイントを中心にご発表いただく。また、小径腎腫瘍の病理組織の特徴や超音波診断と病理組織との関連についても解説いただく予定である。さらに、腎部分切除術における術中超音波のポイントや術後のベッドサイドにおける超音波診断のコツについてもご発表いただく予定である。

泌尿器3
シンポジウム 泌尿器科領域におけるPoint-of-Care超音波検査
座長 鈴木 昭広 (東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座)
四谷 淳子 (福井大学学術研究院 医学系部門看護学領域)
全指定

Point-of-Care超音波は従来型の医師が検査室に依頼するものとは異なり、実施者が自ら病歴、バイタルサイン、身体所見に基づいた的確な診断推論から行う超音波検査で、検査中の問診や、プローブで圧迫しながら身体所見をとったり得られた画像から思っていた診断の検証あるいは修正をしながら最終診断していく。今回は上腹部痛・下腹部痛・腹部膨満・血尿・・・などのうち泌尿器科領域の疾患を中心に、考慮しなければいけない泌尿器科以外の疾患についても教えて頂きたいと思いました。また、看護師によるPOC超音波も盛んに取り組まれつつあり、その領域についても学会参加者にとって有益な情報提供になると考えてトピックとしてとりあげた。

血管領域

血管1
シンポジウム 血管エコーのレポート作成のポイント
座長 赤坂 和美 (旭川医科大学病院 臨床検査・輸血部)
小谷 敦志 (近畿大学医学部奈良病院 臨床検査部)
全指定

非侵襲的で簡便な血管エコーは、血管診療に限らず様々な場面で必要とされ、広く普及している検査法である。血管エコーをより診療に活かすために、検査結果が正確に伝わる、わかりやすいレポートを作成することが検査者に要求される。標準的評価法に準じて所見を記載することは必須であり、管腔構造である血管においては、画像が読み手に理解しやすいように血管形態の報告にも工夫が必要である。さらに、病態を考えつつ検査を施行すること、今後行われる治療などを想定することが重要であり、これらにより単なる画像の説明を越えたレポートとなる。血管エコーのスペシャリストに、診療に活かすレポートの作成について解説していただく。

血管2
シンポジウム 深部静脈血栓症診療にエコーをどう活かすか
座長 久保田 義則 (北播磨総合医療センター 中央検査室)
西上 和宏 (御幸病院 LTAC心不全センター)
全指定

深部静脈血栓症の診療にエコーが大きな役割を果たしていることは周知の事実であるが、検査手順や報告書の形態など、独自の解釈で検査が施行されている場合がまれではなく、臨床の現場でもエコーを十分に活かせているのかには疑問の余地がある。日本超音波医学会では、「超音波による深部静脈血栓症・下肢静脈瘤の標準的評価法」が新しく改訂された。本改訂に携わった先生方を中心に講演いただき、標準的評価法改訂のポイントや正しい検査手順の運用を超音波診療の関係者に理解していただけるよう本セッションが企画された。多角的な話題も含めており、多くの方に参加いただき、実りある討議をいただければ幸いである。

血管3
シンポジウム 血管エコーの新ガイドライン
座長 松尾 汎 (松尾クリニック 脈管内科)
佐藤 洋 (関西電力病院 臨床検査部)
全指定

2017年に頸動脈エコー(脳神経超音波医学会と共同)と下肢静脈エコー(日本静脈学会と日本脈管学会と共同)の標準的評価法が改訂された。共に、実際に臨床に活かされる為、現時点でのevidence levelに基づいて改訂されている。超音波検査の無侵襲性とリアルタイム性を、それぞれの領域でどう活かすかを、それぞれの改定に関わった方にお聞きしたい。頸動脈領域では早期動脈硬化診療への応用、脳卒中診療での応用について、また下肢静脈領域では静脈瘤や深部静脈血栓症の評価への応用について、それぞれの領域で臨床にどう応用し、どう活用できるのか?実施時や臨床での応用時のピットフォールは何か?など、その領域のエキスパートから得た解説は、明日からの診療に必ずや役立つと確信している。

血管4
シンポジウム 血管エコーの新たな展開
座長 平井 都始子 (奈良県立医科大学付属病院 総合画像診断センター)
山本 哲也 (埼玉医科大学国際医療センター 中央検査部)
全指定

血管エコー検査はこの10年、急速な勢いで普及し、その診断技術は向上している。それは各領域において標準的評価法も作成され、検査方法や検査手技、エコー診断基準の統一化もなされたことが背景にある。また、近年の超音波機器メーカー各社の技術進歩も著しく、血管エコー検査に有用な様々な機能が開発され、形態評価や機能評価、新たな指標や評価方法等も数多く報告されるようになった。このような進歩に伴い血管エコーは検査室でのスクリーニングや精密検査にとどまらず、血管穿刺や血管内治療のガイド、救急や災害時の現場などでも広く用いられるようになっている。本セクションでは、この10年の進歩とこれからの10年の更なる進歩に期待し、血管エコーの新たな展開や近未来に可能となる新しい技術について講演いただく。

血管1
パネルディスカッション 血管エコーのスタッフ育成:私達はこうしています
座長 三木 俊 (東北大学病院 生理検査センター)
濱口 浩敏 (北播磨総合医療センター 神経内科)
全指定

血管エコーは、頸動脈、下肢静脈、下肢動脈、腎動脈、大動脈、バスキュラーアクセスといった、様々な領域の評価に用いられている。その依頼内容についても目的により異なり、検査者は状況に応じて評価項目を取捨選択する必要がある。しかし、血管エコーのスタッフ育成体制については他の領域に比べて不十分であると言わざるをえない。その理由としては、エコー検査は「検査者依存度が高く、担当者の知識や経験により差が生じる」ことであり、検査者の力量が問われることになる。一方で、施設によって医師や技師の知識や技術に明らかな差があり、特に血管エコーを指導できる医師は圧倒的に少ない。本セッションでは、血管エコーのスタッフ育成において演者がどのように取り組んできたか、また創意工夫点や今後の課題などについてディスカッションしたい。

運動器領域

運動器1
シンポジウム はじめの一歩~運動器の超音波解剖~
座長 笹原 潤 (帝京大学医療技術学部 スポーツ医療学科)
宮武 和馬 (横浜市立大学大学院医学研究科 運動器病態学教室)
全指定

エコーを使いこなすためには超音波解剖の理解が欠かせない。運動器構成体の正常画像の特徴、異常画像に対する解釈の仕方を解説するとともに、画像診断の第一選択がエコーにならなければならない理由について討論する。

運動器2
シンポジウム はじめの一歩~動きで見る運動器の機能解剖~
座長 中瀬 順介 (金沢大学大学院医学系研究科 機能再建学(整形外科学)講座)
服部 惣一 (亀田メディカルセンター スポーツ医学科)
全指定

静止画である単純X線写真・CT・MRIに対し、時間分解能に優れたエコーはリアルタイムな動画で身体内部を観察できる。動きばかりでなく、組織の血流や硬さが病態解明に役立つ場合も少なくない。動き・血流・硬さ情報をどのように臨床に役立てているのか紹介する。

運動器1
パネルディスカッション 先への一歩~超音波ガイド下注射~
座長 中島 祐子 (広島大学大学院医歯薬保健学研究科 整形外科学)
鈴江 直人 (徳島赤十字病院 整形外科)
全指定

日常診療において、内服薬で症状が改善しない痛み・しびれに遭遇する機会は決して珍しくない。こういった症例に対して、正確な針刺入と薬液注入が可能な超音波ガイド下注射が、その対象を従来の盲目的注射に比べて一気に拡大した。ターゲットが見えて、動く針が見えて、薬液の広がりがわかる。それは、より安全で、的確な治療を可能にしたことを意味する。どこに何をどれだけ注入するのがよいのかの定説は未だないが、経験上、難治性の痛みやしびれが生理食塩水の注入だけで瞬時に消え去る事実も報告されており、疼痛治療のパラダイムシフトとして話題になっている。運動器由来の痛み・しびれの病態を理解し、攻略法を考える上で、もはや超音波診断装置は診断のみならず治療においてもなくてはならないツールであることは間違いない。

運動器2
パネルディスカッション 先への一歩~超音波ガイド下手術~
座長 皆川 洋至 (医療法人城東整形外科 整形外科)
髙橋 周 (東あおば整形外科)
全指定

骨に対する低侵襲手術としてX線透視は欠かせない道具になっている。一方、軟部組織に対する低侵襲手術としてエコーガイド下手術はほとんど行われていないのが現状である。初期段階として、臨床応用しやすい病変の切離、除去が普及することは間違いない。その一方、再建手術はデバイスの進歩と足並みをそろえ飛躍的に進歩することが期待される。可能性は未知数であるが、今後の可能性について討議する。

特別プログラム:技を究めるシリーズ

心エコー

心エコー1
誤診を招かない計測を究める
座長 増田 喜一 (吉田小野原東診療所 検査室)
山田 博胤 (徳島大学大学院医歯薬学研究部 地域循環器内科学)
心エコー2
経過観察可能な疾患評価を究める
座長 田中 教雄 (国立循環器病研究センター 臨床検査部)
泉 知里 (天理よろづ相談所病院 循環器内科)

腹部エコー

腹部エコー1
技を究める~胆膵~
座長 岡庭 信司 (飯田市立病院 消化器内科)
蘆田 玲子 (大阪国際がんセンター 消化器検診科)
腹部エコー2
技を究める~肝臓~
座長 飯島 尋子 (兵庫医科大学 超音波センター)
小川 眞広 (日本大学病院 消化器内科、超音波検査室)
腹部エコー3
技を究める~消化管~
座長 長谷川 雄一 (成田赤十字病院 検査部 生理検査課)
畠 二郎 (川崎医科大学 検査診断学)

産科エコー

産科エコー
技を究める:産科エコー
座長 根木 玲子 (国立循環器病研究センター ゲノム医療支援部)
宮下 進 (獨協医科大学 総合周産期母子医療センター 産科部門)

血管エコー

血管エコー1
さまざまな血管診療に超音波検査を活かす
座長 石橋 豊 (島根大学医学部 総合医療学講座)
佐藤 洋 (関西電力病院 臨床検査部)
血管エコー2
腹部大動脈瘤診療に超音波検査ができること
座長 赤坂 和美 (旭川医科大学病院 臨床検査・輸血部)
三木 俊 (東北大学病院 生理検査センター)
血管エコー3
血管エコー技の伝承 教育システムを考える
座長 平井 都始子 (奈良県立医科大学附属病院 総合画像診断センター)
佐藤 洋 (関西電力病院 臨床検査部)

救急エコー

救急エコー
超音波を利用した生理学的異常に対するアプローチ~ABCDを中心に~
座長 鈴木 昭広 (東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座)
丹保 亜希仁 (旭川医科大学 救急医学講座)

運動器エコー

運動器エコー
技を極める
座長 皆川 洋至 (医療法人城東整形外科 整形外科)
中島 祐子 (広島大学大学院医歯薬保健学研究科 整形外科学)

特別プログラム:共同企画

日本脳神経超音波学会との共同企画

シンポジウム 脳神経超音波最前線
座長 佐藤 洋 (関西電力病院 臨床検査部)
濱口 浩敏 (北播磨総合医療センター 神経内科)
全指定

脳神経領域における超音波検査には、頸動脈エコーのみならず、経頭蓋エコー、下肢静脈エコー、神経・筋エコーなど様々な領域が含まれます。今回、超音波医学会と脳神経超音波学会のジョイントセッションとして、脳神経超音波最前線という内容を提案いたしました。頸動脈領域では新たな血流評価法と新生血管のエコー画像について、また、どのようにして遠位部の情報を得ることができるかについての手法として、経口腔超音波検査を取り上げました。また、頸動脈エコーを行う際には、つねに甲状腺や頸部の情報を確認していますが、異常所見を見つけた場合どうすればよいかについても理解する必要があります。さらに、脳神経超音波は血管のみならず、神経・筋エコーも含まれますので、基本的な検査手技を知っておく必要があります。専門家による講演は両学会にとって非常に勉強になる内容ですので、ぜひ聴講いただきたいと思います。

日本心エコー図学会との共同企画

シンポジウム 超音波による心血管機能評価
座長 浅沼 俊彦 (大阪大学医学部 保健学科)
土肥 薫 (三重大学医学部附属病院 循環器内科)
全指定

日常臨床において心血管超音波検査法は欠くことのできない診断ツールですが、3D法やスペックルトラッキング法などの新しい技術によって現在も進歩し続けています。特に機能評価において、長軸方向グローバルストレイン(GLS)は駆出率(EF)で評価できない左室収縮障害の診断を可能にし、従来は難しかった左房機能や右室機能の評価もこれらの技術で簡便にできるようになりました。また、駆出率が保たれた心不全(HFpEF)では、血管機能障害がこの病態に大きく関与していることが示唆され、血流依存性血管拡張反応(FMD)による血管内皮機能評価も注目されています。
本セッションでは、「超音波による心血管機能評価」に関して5名のエキスパートの先生方にわかりやすく解説していただき、機能評価における新しい進歩の理解を深めたいと思います。

日本超音波検査学会との共同企画

パネルディスカッション 泌尿器科専門医が検査士に求めるもの・検査士が提供できるもの
座長 関根 智紀 (国保旭中央病院 診療技術局)
千葉 裕 (北アルプス医療センターあづみ病院 地域医療部兼在宅支援科)
全指定

超音波検査の一般的な展開は、医師から検査の依頼が超音波室に入り、技師が検査を施行して報告書を提出する流れとなる。検査士が超音波検査によって情報を十分に導き出すには、医師からの検査依頼の情報と目的、そして技師が検査で得た情報の報告書提出がポイントになる。
今回、腎泌尿器科検査を依頼する専門医が検査士に求めるもの・検査士が検査目的にあった検査を進めて報告書に展開していくポイントや注意する点について具体的に検討を進めて討議する。なお、本企画は超音波医学会と超音波検査学会のジョイント企画として進める。

運営事務局
日本超音波医学会第91回学術集会 運営事務局
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