経皮的心肺補助装置(けいひてきしんぱいほじょそうち)とは、主に急性期に心臓と肺の機能を代行する人工心肺装置である。
本会は経皮的心肺補助法の基礎的研究および臨床的研究を推進し、会員相互の知識および意見の交換をはかり、内外の関連学会との交流を助長することにより、医学および医療に貢献することを目的とした研究会です。
第31回は、一般演題の公募は無くなりました。
経皮的心肺補助法(percutaneous cardiopulmonary support, PCPS)とは、一般的に遠心ポンプと膜型人工肺を用いた閉鎖回路の人工心肺装置により、大腿動静脈経由で心肺補助を行うものである。大腿動静脈穿刺法という実際の臨床において多用されている血管穿刺手技と、thin-wallカニューレの開発、そして遠心ポンプを用いた閉鎖回路による補助装置の操作性の簡便さなどから、1つのシステムとして広まってきている。ただし、経皮的に穿刺せず外科的に切開して鼠径部からカニューレを挿入しても一般的にはPCPSに含まれる。
また、PCPSという名称は日本では統一されているが、同じ装置を使用しても欧米ではpercutaneous cardiopulmonary bypassや、emergent portable bypass systemなどと呼ばれている。
1983年Phillipsらは、経皮的挿入可能なカニューレと遠心ポンプを組み合わせた閉鎖回路による人工心肺装置を考案し、心停止例に対し緊急心肺蘇生や循環維持を目的に臨床応用を開始した。また、1988年Vogelらは、送脱血カニューレを外科的に大腿動静脈から挿入し、重症冠動脈疾患に対する経皮的冠動脈形成術施行時の循環補助としての使用を報告した。この方法ではsupported PTCAと呼ばれている。本邦でも、1988年頃よりPCPSが広く臨床使用されるようになり、年々使用数が増加してきた。1991年にはPCPS研究会が発足し、PCPSの普及と成績向上に向けた種々の活動を行ってきたが、その成果とともに装置の工夫改良もあってPCPSの臨床的および基礎研究がますます盛んに行われている。
好評だった初版「経皮的心肺補助法」を6年ぶりに大改訂。
近年、我が国でのPCPS普及はさらに進み、循環器・呼吸器領域をはじめ、集中治療・救急領域で用いられるに至っています。
本書はPCPSの概要や基礎から、臓器移植、補助人工心臓、各疾患における使用方法などを詳述。また3年ごとに行っているPCPS研究会の全国アンケート調査結果も収録しています。
救急医、集中治療医必読の書。
監修:松田 暉(兵庫医療大学 学長)
サイズ:B5判、152ページ
定価:税込4,620円
発行元:秀潤社