この度、第56回日本肺癌学会九州支部学術集会、および第39回日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会を2016年2月26日(金)と27日(土)の2日間、北九州市小倉の北九州国際会議場において開催させて頂くこととなりました。伝統ある両学会が合同開催となって今回で5回目を迎え、ますます活発な学会となってきております。このような伝統ある学術集会の会長を仰せつかることとなり、誠に光栄に存じます。
今回の学術集会のテーマは、近年の肺癌の診断や分子標的治療薬の発展、さらには免疫チェックポイント阻害療法を中心とした肺癌治療の発展をふまえて、「肺癌治療〜新時代の幕開け〜」とさせて頂きました。肺癌の診断については画像診断や超音波内視鏡などの医療機器の進歩に伴ってより正確な診断が可能となっております。また治療については、組織型や遺伝子変異による個別化治療に加えてまったく新しい免疫チェックポイント阻害薬の登場(抗PD-1抗体)などの急速な変化には目を見張るものがあります。外科手術についても、手術自体の技術の向上に加えてFDG-PETやEBUS-TBNA、CTナビゲーションなどによる術前の診断や周術期の管理は日進月歩で発展しております。
本学会では、特別講演として、中野孝司先生(兵庫医科大学呼吸器内科)に「悪性胸膜中皮腫 - 診断・治療の争点と方向性」について、伊達洋至先生(京都大学呼吸器外科)には呼吸器内科医・呼吸器外科医ともに難題の一つである「間質性肺炎合併肺癌の手術」についてご講演頂きます。また、教育講演として、田中文啓先生(産業医科大学第2外科)には「呼吸器悪性腫瘍に対する“現代”の手術適応の限界を考える」と題して、笹田真滋先生(東京都済生会中央病院呼吸器内科)には「肺癌治療における呼吸器内視鏡の果たす役割とは~現状と未来~」と題してご講演して頂く予定です。シンポジウムには、ようやく肺癌臨床で使用可能となる抗PD-1抗体や新規の分子標的治療を含めた個別化・複合的な肺癌治療について3名の専門家にご講演頂き、肺癌治療の新たな治療戦略について討議して頂きます。さらに、計7つのランチョンやイブニングセミナーでは髙橋和久先生(順天堂大学呼吸器内科)をはじめとした各領域のエキスパートに最新の話題をご講演頂き、明日からの診療にすぐに役立つ内容となっております。一般演題も内科、外科を中心に多くの領域から124演題が集まり、日常診療で経験した貴重な症例の情報を参加者間で共有して頂き、明日からの臨床、研究、教育に有用な充実した実りある学会となると確信しております。
会場となる北九州国際会議場は、JR小倉駅から徒歩圏内にあり、九州全域からも比較区的良い交通アクセスです。また、北九州は玄海と豊後水道という非常に良い漁場に挟まれて海の幸に恵まれており、ふくで有名な門司、下関も近く、小倉牛という地元のブランド牛もあり、良い季節ですので是非“食”も堪能して頂ければと思います。
学会の成功に向け鋭意準備しておりますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております。