第16回SNNS研究会学術集会

ご挨拶

第16回SNNS研究会学術集会当番世話人
鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科学
夏越 祥
会長:夏越祥次

この度,第16回SNNS研究会学術集会を平成26年9月19日(金),20日(土)に鹿児島で開催させていただくことになり,大変光栄に存じます.私は1999年に本研究会が設立された時から毎回参加しております.第3回の本研究会を愛甲 孝名誉教授が鹿児島で主宰しましたが,その時は事務局長としてお世話をさせていただきました.すでに13年が経過したことに時間の速さを感じます.

さて,SNNSは乳癌や悪性黒色腫を中心として,世界的に広がってきました.その後,消化器,婦人科,泌尿器科,口腔顔面や甲状腺などの頭頚部,呼吸器など多くの領域で検討され,徐々に成果が集積されてきています.SNの概念を確立するために,基礎的・臨床的に様々な研究が行われてきました.トレーサーに関する問題(種類,粒子径,注入部位,注入時期,リンパ節への移行性・滞留性),RI法の課題(転移面積と検出率,shine though,リンパ節シンチグラフィーの描出率),リンパ節転移診断法(微小転移について免疫染色,RT-PCR法など)が基礎的に研究されてきました.臨床的にはlearning curve,術前診断に基づいた症例の選択が検討され,その後多施設協同研究へと進んできました.この16年間に本邦でも大きな進歩を遂げたと思われます.

今回のテーマは,明日に向けた“次の一手” ~Next move for near future~とさせていただきました.これまでの多くの先人たちの基礎的・臨床的研究成果を礎に,次世代を担う先生方が「これから行うことは何か?」「今までの概念を継承し,さらに発展させる研究は何か?」あるいは,「今までの概念を変え,新しい視点は何か?」を考えていただきたいと思います.

サテライトシンポジウムは「微小転移診断 ~現状と明日に向けた次の一手~」,シンポジウムIは「各臓器のSNNS ~現状と明日に向けた次の一手~」,シンポジウムIIは「RI法と蛍光色素法 ~現状と明日に向けた次の一手~」を取り上げました.様々な観点からSNNSの“次の一手”を論じていただきたいと思います.主題演題は「えっ!こんなところにSNが!」と「SN検出のちょっとした工夫」を取り上げましたが,日常診療から得られた症例の経験をもとに,多くの発表を期待しております. 

SNの概念を提唱されたJohn Wayne Cancer Institute のDonald L. Morton 先生が本年1月10日にご逝去されました.先生のご功績を称え,さらに発展させていくことが本研究会の大きな役割の一つと考えられます.Morton先生のご功績を称え,Memorial lectureを予定しています.また、海外からはMorton教授の弟子であるJohn Wayne Cancer Institute のDave S. B. Hoon教授,韓国から鏡視下手術の第一人者であるYonsei大学のWoo Jin Hyung教授の講演を予定しております.

9月の鹿児島はまだ夏真っ盛りですが,暑さを忘れるくらいの熱い研究会になることを期待しております.研究会で一生懸命に勉強された後に,鹿児島の秋と食材を思う存分堪能していただければと思っております.皆様の多くのご発表とご参加をよろしくお願い申し上げます.

このページのトップへ戻る