会長挨拶

 高齢化に伴い、骨・関節・筋の運動器疾患の重要性が増していますが、日本はこれらの基礎研究及び臨床研究において、国際的にも極めて高い水準にあります。本学会はその中心的存在であり、基礎医学、内科学、整形外科学、産婦人科学、歯学、薬学、理工学、栄養学などの多彩な領域から研究者や臨床医が一同に会する貴重な学会です。昨今、骨・軟骨・筋代謝の分子機構が次々に明らかにされ、それらの知見に基づいた新たな創薬や再生医療の開発が活発に行われています。また、これらの分子機構の解明は、既存薬の作用機序の解明にも大きく貢献してきました。これは、基礎研究と臨床研究の融合がもたらす果実であります。特に骨格発生から得られた知見が、成体の骨格維持の分子機構や組織再生機構の解明に大きく貢献しており、今回のテーマを「骨格発生に学び、成体に生かす」とさせて頂きました。複数の他学会との合同シンポジウム、あり方委員会企画のシンポジウム、テーマ別シンポジウム等、多彩な企画を予定しております。西洋医学の発祥地であり、西洋、中国、日本の文化が融合し独特の文化が息づいた長崎において、様々な分野の基礎研究者や臨床医がお互いの研究から刺激を受け、新たな発展へとつながることを期待しております。また、アカデミックな刺激はもちろんのこと、立体的な長崎の街並み、軍艦島をはじめとする世界遺産、様々な歴史を持つ教会群、西洋建築や唐寺、坂本龍馬の足跡、世界3大夜景、独特な食文化と長崎の魅力を十分堪能して頂きたいと思います。そして長崎に住む人たちのおおらかな心も感じて頂けたらと思います。是非、長崎においで下さい。

第36回日本骨代謝学会学術集会 会長:小守 壽文 長崎大学大学院医歯薬学  総合研究科細胞生物学分野

© The 36th Annual Meeting of the Japanese Society for Bone and Mineral Research. ALL RIGHTS RESERVER.