第31回日本肝胆膵外科学会・学術集会

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香川の酒、四国の酒

学会で地方の街に行き、その土地の料理に地酒を合わせて頂く事はひとつの愉しみである。その組み合わせが思いのほか素晴らしいときには、日常の疲れや雑多な考え事がすっと流されていく感じがして、その出会いに感謝する。

四国は瀬戸内海と太平洋に囲まれ、多くの素晴らしい海の幸や山の幸に恵まれている。また、石鎚山を中心とした四国山脈は日本酒造りの重要な要素である良い水を供給している。

一時期は低迷した日本酒であったが、近年は危機感を持った多くの地方の若い造り手達が、情熱的でかつ理論的な手法で素晴らしい日本酒を多く造り出している。四国においても全国的にはあまり知られていないが、地元の人に愛されている美味しい日本酒が数多く存在している。

日本酒と一言に言っても味や香りは実にバラエティ豊かであり、人それぞれ好みが異なるが、あくまでも日本酒を愛する一人の個人的意見として、本学会で香川を訪れる方々にお薦めの香川と四国の日本酒をご紹介したい。

第31回日本肝胆膵外科学会・学術集会 事務局 岡野圭一


石鎚山

金刀比羅宮

香川の酒

凱陣

凱陣は淡麗辛口という言葉の対極をゆく、骨太で濃厚な日本酒である。しかしながら粗野ではなく繊細で緻密な旨味と様々な風味を感じさせる不思議な酒である。蔵元の丸尾忠興さんがご家族とともに営む小さな蔵であり、それ故に米や精米歩合、醸造法を変えて何十種類もの酒を造ることができ、そのひとつひとつに個性的な味わいがある。さらにこの日本酒の凄さと面白さを感じるのは、冷だけではなく燗により温度を上げてゆくことで更に風味が深まる事である。開封して時間をおくことによりまた味わい深くなり、数年間寝かした古酒は旨味が濃縮された上質な和食の出汁のようである。
以前にご縁がありお会いする機会を頂いた蔵元の丸尾忠興さんは、道を究める学者のようでもあり、その深い知識と日本酒にかける情熱には敬意を覚えた。金比羅さん近くの田園地帯にある蔵は、幕末の頃に幕府から追われた長州藩の高杉晋作をかくまっていたそうで、幕吏の奇襲に遭ったときに高杉晋作は酒樽に飛び込み姿を潜めて難を逃れたという話をお聞きした。
ワインがお好きな人ならよくご存知のロバート・パーカーも賞賛し90点以上をつけているそうである。
香川で是非味わって頂きたい日本酒の代表である。

川鶴

観音寺市にある香川の代表的な酒蔵のひとつ。地元産の酒米“オオセト”や“さぬきよいまい”を米作りからこだわって行い、最近は骨付き鳥に合う日本酒など新しい挑戦でさまざまな日本酒を造っている。どんどん良くなってきている蔵だと感じる。甘みと旨味がバランスよく飲みやすいお酒。

綾菊

綾歌郡にある歴史ある蔵であり、現代の名工に選ばれた杜氏の名前を冠した大吟醸 国重は高松市で開催されたG7情報サミットで歓迎レセプションの乾杯酒に使われた。多くの人に好まれる味。

森國酒造

小豆島で唯一の酒蔵で比較的新しい蔵であるが、良質な日本酒を丁寧に作っている。お土産などにも良いかも。

高知の酒

美丈夫

高知県内の酒蔵では最も東に位置する田野町にあり、超軟水の奈半利川伏流水を仕込み水に用いている。ふっくらとした米の旨みを持ちながらも、程よい酸味とキレの良さできれいな余韻が楽しめる。種類も多く奥行きのある味わい。

しらぎく

高知県安芸の酒蔵。土佐酒らしい心地よい飲みやすさを感じる淡麗な酒で鰹のたたきや刺身に合わせるとよい感じ。

愛媛の酒

賀儀屋

石鎚山の麓である愛媛西条の酒蔵。食事と合わせて愉しめる酒。丁寧に仕込みで醸されすっきりとした旨味を感じる。

石鎚

加儀屋と同じく愛媛西条の酒蔵。名水百選に選ばれている「うちぬき」と呼ばれる石鎚山系の湧き水で醸し出される素朴で綺麗な味わい。

徳島の酒

芳水

徳島県三好市吉野川上流にある蔵。辛口でフルーティーなキレのよいのど越し。

最後に

ご紹介した銘柄以外にも多くの美味しい日本酒が四国にはあります。今回紹介した日本酒の一部は全員懇親会でご用意しますので、ぜひご参加下さい。

凱陣や四国のお酒が飲める高松のお店 (要予約)
“中川”、“天馬”、“三善”、“古今”、“乃口”、“遊庵”、など

参考:各蔵元のホームページ、山同敦子著“愛と情熱の日本酒”など

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