会長:髙栁涼一

第56回日本老年医学会学術集会
会長 髙栁 涼一(九州大学大学院医学研究院病態制御内科学 教授)

第56回日本老年医学会学術集会を2014年6月12日(木)~14日(土)の3日間、福岡市の福岡国際会議場にて開催するにあたり、皆様にご挨拶をさせていただきます。

ご承知のように、わが国では急速に高齢化が進行しており、内閣府の統計によると、2011年10月1日現在、65歳以上の人口は総人口の23.3%、75歳以上の人口は総人口の11.5%ですが、2035年には75歳以上の人口は倍の20%に達すると予想されています。すなわち、これからの我が国の医療従事者は高齢者診療の知識と経験が必須のものとして要求されることになります。さらに高齢者特有の疾患や病態、例えば、サルコペニア、認知症、虚弱などの研究を進展させる必要があります。医学や医療技術の進歩により、医療は専門化、高度化される一方で、高齢者の医療や介護には高齢者疾患の特徴や高齢者特有の社会的諸問題を考慮した全人的対応が不可欠であり、それが「老年医学」のめざすところであると思われます。しかしながら、我が国では、本当の意味での老年医学の普及は不十分と言わざるを得ません。このような背景から、今回の学術集会では、「老年医学に基づく高齢者医療の普及をめざして」をメインテーマに、高齢者の医療に携わるさまざまな分野の方々にご参加いただき、「老年医学」の理念に基づいた高齢者医療がより多くの方に広がるような企画を準備してまいります。

福岡での日本老年医学会学術集会は、1998年(第40回)以来16年ぶりの開催となります。学会会場は利便性のよい福岡国際会議場を予定し、2,000名を超える参加者がこの学術総会に集い、活発な学術交流の場となるのみではなく、当学会員が行ってきた研究の成果を社会に広く還元する場としての役割を果たすものと考えます。福岡ならではのおもてなしも企画していますので、学会と共に是非、福岡の地を楽しんで頂きたいと思います。多数の演題のご応募とご参加をいただけますよう心からお待ちしております。

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