この度、第62回日本小児保健協会学術集会の会頭を仰せつかり、平成27年6月18日(木)~20日(土)の3日間、長崎ブリックホールならびに長崎新聞文化ホール アストピアにて同学術集会を開催する運びとなり、現在、鋭意準備を進めております。
本学術集会は医師、看護師、保健師など多くの職種により構成される特例社団法人日本小児保健協会が開催するものです。日本小児科学会をはじめとする、その他数多くの学術集会では見られない他職種間の交流や議論を行うことができますので、子ども達の健康と福祉を支えていく上で大きな力になっていると思います。
長崎で開催されますのは、平成7年の第42回大会(会頭:辻芳郎名誉教授)以来、約20年ぶりの開催となります。それ以前にも昭和51年の第23回(会頭:故・浅野清治名誉教授)が長崎で開催され、さらに昭和32年の第4回大会(仙台)の会頭を務められたのは、第三代長崎大学小児科教授であられた故・佐野保名誉教授です。小児保健を継承するものとして、歴代の教授に恥ずかしくない内容の学術集会を開催したいと願っております。新・世界三大夜景にも選ばれた長崎の地へ多数の皆さまがお出で下さり、かつて出島や鳴滝塾(シーボルトの私塾・診療所)に多くの人々が全国から集まったように、一時(ひととき)の「遊学」気分を味わっていただけたらと願っております。
鎖国時代、唯一の国際都市であった長崎には国内外から様々な人々が訪れ、多様な価値観や生き方をお互いに受け容れてきました(和華蘭 [わからん]文化、ちゃんぽん文化)。医学の進歩に伴って、以前であれば助けることができなかった命が救われるようになりました。その一方で、後遺症を背負って生きていかなければならない子ども達が増えてきたことも確かです。また心の問題や社会的な問題を抱えて様々な形の不適応や障がいに悩む子ども達に対峙する方々も多いと思います。それぞれに違ったものを背負ったこども達が、皆健やかに成長発達し幸せに暮らしていけるように、皆さまと一緒に考えていける会になったらと考えております。
第62回日本小児保健協会学術集会
会頭 森内 浩幸
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科小児科学)