見どころ、聴きどころ

 今回の学術集会では、会場として熊本城周辺と熊本駅周辺の12施設22(ポスターを含めると32)会場を使用します。大都会の巨大コンベンションセンターとは異なる地方都市ならではの学会を楽しんで頂きたいと思います。
 会場における混雑緩和のため、学会参加の事前登録をお願い致します。会場間アクセスを改善するため、熊本駅周辺とお城周辺の会場を増便した路面電車と専用シャトルバスの2つの手段で結びました。いずれも最長で15分程度で移動できます。路面電車は渋滞の影響がなく、熊本の雰囲気も満喫できます。
学会参加者には路面電車の無料回数券を配布しますので、ご活用ください。また、会場における混雑を避けるため、熊本空港と熊本駅新幹線改札内に参加登録受付ブースを設置します。会場での参加受付は待ち時間がかかりストレスを感じますが、空港や駅で受付して頂くことで混雑を避けてスムーズに聴きたいプログラムへ進んで頂けます。プログラムも出来るだけ会場毎に共通・類似したテーマのシンポジウムや演題を配置し、同一施設内で学会参加できるよう工夫しています。熊本城周辺の各施設間は徒歩にて10分以内で移動でき、日頃運動不足の参加者にとってはよい運動の機会としてポジティブに捉えて頂ければありがたいと思います。
 本学会では、Walk Mapとして「熊本さるくマップ」も準備しました。熊本さるくマップでは、ラーメンマップをはじめとした熊本のグルメマップ、ブルーサークルメニュー情報、有名観光スポット情報や地元の最新情報も発信していますので、ご活用ください。


見どころ、聴きどころ

「糖尿病学の進化と絆」を体感!
 今回の学術集会のテーマは、「糖尿病学の進化と絆」です。糖尿病学は様々な他領域の技術や学問と結びついて、まさに進化を遂げようとしています。一方、糖尿病患者数は増加の一途であり、その阻止のためには医療連携・保健医療連携・アジアを含む海外との連携など、進化した糖尿病学による「絆」の強化も不可欠となっています。
 特別講演1はインスリン作用研究の第一人者であるRonald Kahn 先生(5月16日(木)17:30〜、熊本市民会館)、特別講演2はUKPDSなどの糖尿病大規模臨床試験をリードしてこられたRury Holman 先生(5月17日(金)15:00〜、熊本市民会館)にお願いしました。基礎および臨床研究の両面から糖尿病学のこれまでの進化とこれからの展望についてご解説頂く予定です。特別講演2は、引続き開催されるシンポジウム「大規模臨床試験から見えてきた糖尿病治療の未来」の導入部としての役割も兼ねています。本シンポジウムでは、熊本スタディを皮切りとして日本における最新の糖尿病大規模臨床研究(J-DOIT1、JDCP、J-DOIT3)の成果を発表いただき、医療者必見のプログラムと言えます。
 27題あるシンポジウムのうち、特に本学会のテーマ「糖尿病学の進化と絆」と密接に関係している8題を特別シンポジウムに指定しました。各分野の進化しつづける糖尿病学を学び、未来への展望を感じて欲しいと思います。
 また、癌学会医療情報学会との共同シンポジウムがそれぞれ開催されます。長期の継続的な診療を基本とする糖尿病診療においては、癌等の悪性疾患合併は避けては通れないことは周知の事実であり、ある種の悪性腫瘍の糖尿病への合併は最近のトピックスでもあります。疫学、臨床および基礎研究の立場から癌合併の特徴やメカニズム、糖尿病治療薬の発癌リスクについての提言がなされる予定です。後者においては、国が進めている「患者を中心に置く、全国規模の医療・健康に関する電子情報活用」構想(いわゆる、どこでもMY病院構想)の現状を踏まえ、ITを駆使した糖尿病対策と医療連携について、その現状と課題が討議されます。
 例年好評なディベートは、今回は「Diabetes Controversy」というセッションとしました。臨床上きわめて重要であるが、また一定のコンセンサスが得られていないトピックスについて、ディベート形式を採用した異なる立場からの意見発表と討議を通じて、参加者の理解を深めるとともに問題解決への道筋を明らかにして頂く予定です。このセッションでは、血糖コントロール管理目標、食品交換表改訂を見据えた食事療法、SU薬二次無効への一手、糖尿病患者における血圧および脂質管理、境界型への糖尿病治療薬使用の是非、など、皆様が大変興味を持っておられるテーマを6題準備しています。

教育講演

指定講演
 熊本では、専門医資格更新のための指定講演を31講演準備しました。とくに充実させたのは教育講演です。31テーマにおいて、当該領域の第一線の座長および講師による教育講演を揃えることが出来たと大変満足しています。平日の学会参加が困難な先生方にも単位取得が可能になるように、最終日である18日(土)にも指定講演を12演題配置してあります。明日の診療にすぐに役立つこと間違いなしの質の高い教育講演への多数の参加をお願いいたします。
糖尿病療養指導のカテゴリーを細分化
 過去最大の2700を超える一般演題登録を頂き、深く感謝しています。例年最大級の演題登録を誇る糖尿病療養指導のカテゴリーですが、昨年の横浜大会では246演題がこれに集中しました。今回もカテゴリー全体では433演題が集まりました。今回、演題の整理、適切な配置、検索の簡素化等を目的として、本カテゴリーを8細目に細分化しました。この細分化により目次検索も容易となり、聴きたい演題を容易に見いだす事ができるように改善されています。
ポスター
 ポスターセッションでは、過去最大の1439演題の発表が行われます。メイン会場として熊本市現代美術館を今回特別に使用させて頂くことになりました。天井の高い広々とした芸術のための空間で、これまでにないポスターを体験して頂きたいと思います。ただし、聴衆の同時集中による混雑の回避と安全の確保のために、敢えてポスター会場を10会場に分散させて頂きました。さらに、周囲の雑音から遮り、討議に集中できるオーディオツアー方式(使用方の案内へ飛ぶ)を全演題に採用しましたので、各演題における活発な討議を期待しております。  また、今回の学会ポスターを書き下ろして頂いた葉祥明先生の個展も会期に合わせて、開催されますので、是非ともお楽しみ下さい。
若手医師・医学生のための特別企画
 糖尿病学会年次学術集会では、初めての試みとして、「若手医師・医学生のための特別企画」(5月18日開催)を開催いたします。糖尿病学に興味を抱き、若手医師が質の高い糖尿病診療に必要な知識と技術を学ぶ機会を持ち、次世代の糖尿病診療や研究を担う人材の発掘に繋がればと願っています。企画の段階から九州内の各大学から若手医師・医学生を募り、「若手医師・医学生のための、若手医師・医学生によるプログラム」を作り上げました。大きく2つに分けたプログラムを準備しています。一つは、糖尿病診療の第一線のコメンテータを交えたパネルディスカッション形式の症例提示(若手医師向け)で、研修医の先生方に診断や治療に困った実際の症例を発表いただき、コメンテータのご意見を頂くことで実臨床に役立てて頂くことを目的としています。他方は、経験豊富な糖尿病療養指導士を交えたTeam Based Learning形式のグループワークによる症例検討(医学生対象)です。実際の糖尿病診療に酷似した環境のもと、Problem Based Workingを基礎とした症例検討を行って頂きます。糖尿病医療の次世代を担う若者たちの健闘に期待いたします。

学会アプリ

熊本Walk Map
 スマートフォンやタブレット端末での抄録集ダウンロードが可能です。本アプリでは、聴きたい演題を事前に登録する等のスケジュール管理が可能となります。
 また、熊本Walk Map(熊本さるくマップ)では学会場周辺の地元情報を発信しています。
 熊本県で展開中の「ブルーサークルメニュー(レストランが提供する600kcal未満・塩分3g未満の美味しい糖尿病食)」も、熊本滞在中に是非ともご利用いただきたいと思います。提供店一覧は、ここをクリック頂くと、一覧がダウンロード可能です。
観光案内
 学会会場は市の中心街に位置しており、熊本のおいしいものを沢山召し上がって頂きたいと思います。観光名所にもほど近く、熊本城や水前寺公園、少し足を伸ばせば宮本武蔵の「五輪書」で有名な金峰山麓「霊巖洞」、横井小楠、夏目漱石、小泉八雲にまつわる史跡など学会で疲れた頭を冷やすのにもってこいです。学会の合間に、是非とも訪問していただければと思います。